野上記念法政大学能楽研究所

野上記念法政大学能楽研究所について

野上記念法政大学能楽研究所は、東京都千代田区に位置し、法政大学の付属機関の一つとして、能楽に関する総合的な研究を行っています。この研究所は、日本における唯一の能楽に特化した研究機関であり、能楽の深い理解とその価値の普及に努めてきました。

設立の背景

この研究所は、1947年に文学部内に設立された能楽研究室を起源としています。創立者である野上豊一郎の後、1952年にはその功績を称えて野上記念法政大学能楽研究所が設立されました。以来、能楽の歴史的な変遷を調査し、現代におけるその魅力や芸術性の探求が続けられてきました。

所蔵資料と研究活動

研究所は、日本各地から寄付された能楽に関連する文献や資料を多く所蔵しており、その数は約4万点にのぼります。中には重要文化財も含まれており、能楽に関する貴重な情報を提供しています。これらの資料を活用して、能楽の研究と振興を推進するための様々な活動が行われています。特に、能楽の歴史や技法に関する研究が盛んであり、国内外の学術界でも注目されています。

受賞制度とその意義

1979年には、観世流シテ方の能役者である観世寿夫を記念して、観世寿夫記念法政大学能楽賞が創設されました。この賞は、能楽研究者や実演者の業績を評価する重要な指標となっており、能楽界の発展に寄与しています。また、1988年には、服部康治によって寄贈された観世新九郎家文庫に基づき、服部記念法政大学能楽振興会が設けられ、地方の能楽演者や研究を表彰する「催花賞」が創設されました。これらの賞は、能楽の実演と研究の両面での活性化を促すものとして期待されています。

沿革

野上記念法政大学能楽研究所は、設立以来多くの歴史的な出来事を経て成長してきました。以下はその沿革の主な出来事です：

• - 1947年: 文学部内に能楽研究室を設置
• - 1952年: 野上記念法政大学能楽研究所を設立
• - 1955年: 文学部付置研究所となる
• - 1971年: 麻布校舎に移転
• - 1974年: 紀要『能楽研究』創刊号を刊行
• - 1979年: 観世寿夫記念法政大学能楽賞を創設
• - 1981年: 富士見校舎80年館に移転
• - 1988年: 再び独立研究所となり、服部記念法政大学能楽振興寄金を設定
• - 2000年: ボアソナード・タワーに移転
• - 2013年: 文部科学省の「共同利用・共同研究拠点」認定

現在の状況

2023年1月時点での所長は山中玲子であり、研究所は今後も能楽の発展に寄与するための研究を続けていく意向です。能楽は日本の文化において重要な位置を占めており、今後もその魅力を広めるための取り組みは続けられます。

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