野坂茂三郎

野坂茂三郎について

野坂茂三郎（のさか もさぶろう）は、1861年3月21日に生まれ、1923年5月7日に亡くなった日本の政治家兼実業家です。彼は衆議院議員や地方議会の議員として活躍し、中国貯蓄銀行の頭取や米子銀行の取締役も務めました。また、家族には米子市長を務めた野坂寛治がいます。

経歴

茂三郎は、現在の鳥取県米子市法勝寺町にある商家「油屋」の四男として誕生しました。地元の村の教師に漢学や算術を教わり、小学校にも通って学びました。明治10年に分家し、自らの家を創立。明治15年には呉服の販売を開始し、明治17年には米綿の仲買も行うようになります。

1898年には第5回総選挙で衆議院議員に当選しましたが、同年の8月には第6回選挙で次の候補者に敗れました。この頃から朝鮮での開墾事業に着手し、「野坂農場」を設立しましたが、資金難により事業は中断し、大正10年に茂三郎は病に倒れます。これに伴い、野坂家も経済的に困難な道を歩むこととなります。

人物像

茂三郎は、明治時代の米子において商人として名を馳せた人物の一人です。商売においてその才覚を発揮すると同時に、政治や事業に私財を注ぎ込む情熱を持っていました。彼の経済活動は多角的で、質屋や銀行への投資、商業活動においてもその手腕を発揮しました。このような彼の姿勢は、同時代の商人たち、特に坂口平兵衛や三好栄次郎と共通する特性があります。

彼の名前は、人名辞典にも掲載されており、鳥取県内で広く知られた実業家であることが記されています。多くの事業に携わりながらも、政治についても影響力を持ち続けました。

家族と親族

野坂家は鳥取県米子市法勝寺町に住んでいました。茂三郎の父は平民の與八郎であり、兄弟には実業家としても知られる吉五郎や、後に米子市長となる寛治がいました。また、家族には多くの実業家や政治家が含まれています。

茂三郎の妻は、平民の村上常三の二女たみのであり、彼らの間には数人の子供が誕生しました。中でも寛治は米子市長として地方政治に貢献しました。

地主としての活動

明治35年の資料によると、茂三郎は大地主としても知られ、米子町を含む地域において経済的な影響力がありました。当時の地主たちは、質屋や銀行への投資、商業など様々な経済活動に従事しており、野坂茂三郎もその中の一員でした。大正5年の地主層の資料には、彼の名前も見受けられ、地価30000円～35000円という位置付けで、当時の経済的実力を示しています。

最後に

総じて、野坂茂三郎は明治の商人精神を体現した人物であり、その人生を通じて地域社会に貢献し続けました。事業の失敗はあったものの、彼の商業活動や政治的アクティビティは今も人々に語り継がれています。彼の遺産と影響は、後の世代にも大きな影響を与え続けているのです。

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