野天湯へGo!

野天湯へGo!

『野天湯へGo!』（のてんゆへゴー）は、温泉愛好家である山田べにこ氏が、日本全国に点在する野趣あふれる野天湯を探訪する旅番組です。2010年に放送が開始され、旅チャンネルで人気を博しました。

番組スタイル

この番組の大きな特徴は、単なる温泉紹介にとどまらない、その探訪スタイルにあります。山田べにこ氏は本格的な登山装備を身につけ、時に道なき道を進み、秘境に湧く源泉を目指します。

1回30分の放送は、毎回冒頭でその日の登山装備が紹介されることから始まります。構成は基本的に二部構成となっており、前半では比較的アクセスしやすい温泉を紹介し、視聴者に手軽な野湯の魅力を伝えます。一方、番組のハイライトとも言える後半では、文字通り「行くのが大変な温泉」に挑戦します。整備された登山道すらないような場所や、現地のガイドの案内なしにはたどり着けないような源泉へも果敢に分け入ります。

自然の中でのロケには困難も伴い、特に熊が出没しそうな山道を進む際には、「森のクマさん」を口ずさみながら撮影に臨むというエピソードも、番組のリアリティと山田氏の人柄を物語っています。

シリーズ展開

番組はシリーズ化されており、2010年から放送された第1話から第13話までが「第1シリーズ」として構成されています。そして、2011年8月13日からは第14話以降が「第2シリーズ」として新たにスタートし、さらなる野天湯への挑戦が続けられました。

制作スタッフ

番組の雰囲気を盛り上げるナレーションは、俳優の髙島保氏が担当しています。ディレクターはシリーズを通じて複数の方が携わっており、第1シリーズでは鈴木寿美子氏、第11話では勝股俊遇氏、第2シリーズ（第14話〜第26話）では日下部祐二朗氏と清野智基氏が演出を担当しました。プロデューサーはJICの森慶太氏、海野仁氏、そしてオフィスて・らの玖保英明氏が名を連ねています。

訪れた地

番組では、北海道から九州、そして伊豆諸島まで、文字通り日本各地の様々な野天湯が紹介されました。その道のりは多岐にわたり、単に歩いてたどり着くだけでなく、例えば北海道の屈斜路湖ではカヌーを使って湖面を進み、秋田の川原毛大湯滝では文字通り「滝壺」で温泉に浸かる、鹿児島県の硫黄島では船でしかアクセスできない洞窟温泉を目指すなど、場所に応じた多様な手段で野湯への到達を図ります。

訪れた地の一例としては、栃木県の奥鬼怒や那須、秋田県の田沢湖や八幡平、岩手県の安比高原、群馬県の香草温泉、新潟県の妙高や糸魚川、長野県の本沢温泉、宮城県の蔵王、富山県の黒部、石川県の岩間、鹿児島県の霧島や硫黄島、北海道の屈斜路湖、然別湖、阿寒湖、薫別、中岳温泉、金花湯などが挙げられます。これらの地で、整備された露天風呂だけでなく、川原や海岸、山奥に自然に湧くワイルドな源泉の姿と、そこにたどり着くまでの過酷さ、そして辿り着いた時の感動が鮮やかに描かれています。

『野天湯へGo!』は、温泉の魅力はもちろんのこと、大自然に挑む旅の厳しさと醍醐味、そして山田べにこ氏の探求心とタフさが魅力のユニークな紀行番組です。

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