然別湖

然別湖（しかりべつこ）

然別湖は、北海道の十勝地方に位置しており、鹿追町の北部と上士幌町の南西部に跨る美しい湖です。この湖は大雪山国立公園内にあり、自然の景観が素晴らしいことで知られています。周囲の然別火山群に囲まれたこの湖は、特異な地形を持つ堰止湖です。

湖の成り立ち

然別湖は、然別火山群を構成する二つの溶岩ドームである西ヌプカウシヌプリと東ヌプカウシヌプリが成長する中で、ヤンベツ川がせき止められることにより形成されました。湖の標高は810mで、これは北海道の湖の中では最も高い位置にあります。周囲の周長は13.8km、最大深度は108mで、冬季には表面が凍結します。また、湖の真ん中には小さな「弁天島」があり、そこには特徴的な鳥居が立っています。

自然環境と生息動物

湖は北東部からヤンベツ川が流れ込み、南西部からは然別川（トウマベツ川）が流出します。周囲には、東雲湖と駒止湖という二つの小さな湖が存在し、これらのエリアはナキウサギの生息地ともなっています。また、白雲山や天望山といった美しい山々が湖を囲んでおり、訪れる人々に壮大な景観を提供しています。

さらに、然別湖には固有の淡水魚であるミヤベイワナの亜種が生息しています。これは北海道の天然記念物に指定されており、他にもニジマスやワカサギ、ウグイといった魚も確認されています。湖では定期的にウチダザリガニの駆除作業が行われており、生態系の保護にも取り組んでいます。

利水と観光

然別湖は利水にも活用されており、湖の流出河口近くには取水施設があり、そこから水がトンネル水路を介して然別第一発電所に送られて発電に利用されています。また、湖の西岸には二つの温泉ホテルが並ぶ然別湖畔温泉があり、宿泊施設ではミヤベイワナを使った料理を提供しています。さらに、特別な美術館も存在し、宿泊者以外でも見学することが可能です。

観光名所としては、国有林の然別自然休養林があり、キャンプ場やネイチャーセンターも整備されています。湖上での遊覧船は運航されていますが、エンジン付きボートの使用は禁止されています。冬季には氷上コタンまつりが行われ、雪と氷で作られたイグルーが人気を集めています。

交通アクセス

然別湖へは、新得駅や帯広駅から北海道拓殖バスでアクセスできます。ただし、冬季は特定の区間が通行止めになるため、運行情報を確認する必要があります。

自然の美しさが魅力的な然別湖は、観光や自然体験を通じて、多くの人々に愛されています。北海道の大自然を満喫しながら、特別な体験ができるスポットです。

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