野村秋介

野村秋介の生涯と影響

野村秋介（のむらしゅうすけ、1935年2月14日 - 1993年10月20日）は、日本の新右翼、民族派活動家として知られています。彼は戦後の民族派の代表的な論客であり、多くの波乱に満ちた人生を送りました。野村の発言や行動は、日本の戦後政治における重要な側面を担っていました。

幼少期と青年期

野村は東京市に生まれ、横浜で育ちました。神奈川工業高校を中退後、愚連隊に加入し、出口辰夫の舎弟としての経験を積みます。彼の人生の転機は網走刑務所での服役中に訪れます。ここで彼は、五・一五事件の関係者である青木哲と出会い、民族主義者としての覚醒を迎えました。

憂国道志会の結成と逮捕

1961年、野村は憂国道志会を設立し、「大悲会」のリーダーに就任しました。しかし、彼の行動は反権力的な道へと進み、1963年には河野一郎邸焼き討ち事件を引き起こし逮捕され、懲役12年の実刑を受けました。この出来事は、彼の人生におけるターニングポイントとなり、その後の活動に大きな影響を及ぼします。

出所後の活動と再逮捕

1977年に出所した後も、野村の活動は続きます。彼は経団連襲撃事件を起こし、再び逮捕され、懲役6年の実刑判決を受けます。これらの活動を通じて、野村は「YP体制打倒」と「日米安保条約破棄」を掲げ、右翼としての政治的思想を強く主張しました。彼の批判活動は、政界や財界、またマスコミに向けられました。

マスコミへの抗議と衆議院選挙

1983年、彼は新井将敬の選挙活動において行われた中傷行為に対して強く抗議しました。さらに1986年にはフィリピンでのカメラマン救出活動に参加し、彼の行動力と民族主義者としての姿勢を再確認させる出来事となりました。

1992年の参議院選挙では「たたかう国民連合・風の会」から比例区で立候補しましたが、彼の活動はマスコミとの対立を深める原因となりました。特に朝日新聞に対する抗議は非常に強く、彼は繰り返し抗議の姿勢を示しました。

最期と影響

1993年、彼は朝日新聞東京本社での会談後、自らの命を絶ちました。この自決は大きな衝撃を与え、多くの議論を呼び起こしました。彼の葬儀には多くの支持者が集まり、命日は『群青忌』と名付けられ、彼の記憶を讃える行事が行われています。

野村秋介の著作とその影響

彼の著作には、右翼についての考察が詰まっています。主な著書には『友よ山河を亡ぼすなかれ』や『獄中十八年 右翼武闘派の回想』、『汚れた顔の天使たち』などがあり、彼の思想や立場を深く理解するための資料となっています。

彼はまた、多くの活動家や評論家に影響を与え、さまざまな側面から日本の政治史に名を刻むことになりました。亡くなった後も彼の思想や行動は議論の的となっており、その影響力は現在に至るまで続いています。野村秋介の生涯は、戦後日本における民族主義や右翼運動の歴史の中で、忘れられないものとなるでしょう。

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