野球界

野球界（やきゅうかい）

「野球界」という言葉は、一般的に野球に関連する世界全体を指し、球界と略されることもあります。本稿では、かつて存在した野球専門雑誌『野球界』（THE YAKYUKAI）について解説します。

『野球界』の歴史と概要

『野球界』は、1908年11月に「ベースボール」（または「月刊ベースボール」）という誌名で野球研究会より創刊されました。当初は野球研究会が発行し、博文館が発売を担当していました。1911年9月には、博文館内に設立された野球界社が発行元となり、「野球界」と改題して新装刊されました。

この雑誌は、文字通り野球を専門とする内容でしたが、当時の日本で国技であり、野球と並ぶ人気スポーツであった相撲の記事にも力を入れていました。大相撲の特集号を発行することもあったほどです。

1940年代前半、第二次世界大戦の激化に伴い、雑誌は変遷を余儀なくされます。1943年には相撲をタイトルに冠した「相撲と野球」へ、1944年には「相撲界」へと改題されました。さらに同年、「国民体育」と改題されました。

「相撲と野球」時代には、1943年1月1日号から月2回刊（○月1日号・○月15日号）となりましたが、同年10月号（通算33巻19号）から月刊に戻りました。同年12月号（通算33巻21号）からは、発行元が博文館へと移行しました。

戦後の1947年10月号より、再び野球界社が発行元となりましたが、1948年5月号からは博友社へと発行元が変更されました。そして1959年、惜しまれつつも終刊となりました。

1980年代には、ベースボール・マガジン社が『Jam Jam野球界』という雑誌を発刊し、若い有望な選手を紹介することに重点を置きましたが、残念ながら長くは続きませんでした。

編集者として活躍した人物

『野球界』には、後に野球界で活躍する多くの人物が編集者として関わっていました。

池田恒雄: 1931年より編集者として活躍し、1937年より編集長を務めました。1946年にはベースボールマガジン及びベースボール・マガジン社を設立しました。
小島貞二: 相撲担当の編集者として1942年から1943年まで勤務しました。元力士であり、同誌編集者担当後は著作家・評論家として広く活躍しました。
関三穂: 編集者・カメラマンとして活躍しました。その後も、「プロ野球史再発掘」シリーズ（1987年にベースボール・マガジン社から全7巻発行）などの野球関連著書を発表しました。

関連項目

スポーツ雑誌
ベースボールマガジン
週刊ベースボール

外部リンク

* 共同印刷公式サイト内「共同印刷100年のあゆみ」内1907年から1916年の年表

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