野部利雄

野部利雄（のべ としお）は、1957年1月18日生まれ、栃木県宇都宮市出身の日本の漫画家です。和光大学を卒業後、1979年に第18回手塚賞で佳作を受賞（受賞作は『花と嵐がいく』）し、漫画家としてデビューしました。同期受賞者には、北条司や藤原カムイといった著名な漫画家が名を連ねています。

野部利雄の作品の特徴は、ラブコメ、ファンタジー、美少女SF、ボクシング漫画など、多岐にわたるジャンルを手がけていることです。特に長編作品を好んで執筆し、読者の期待を裏切らない、ある意味で類型的なパターンを踏襲したストーリー展開が特徴です。絵柄は昭和50年代風のペンタッチを基調としており、懐かしい雰囲気を醸し出しています。

代表作としては、『わたしの沖田くん』が挙げられます。その他、『弥生の大空』、『ミュウの伝説』、『のぞみ♡ウィッチィズ』など、数多くの作品を発表しています。中でも、『のぞみ♡ウィッチィズ』は1986年から1996年まで「週刊ヤングジャンプ」で連載され、1990年には映画化、OVA化もされるほどの人気を博しました。

その他の作品としては、『妖精大戦NOA』、『Monacoの空へ』、『Monacoの空へ2 ALAS〜輝ける翼〜』、『タイムスリッパー -YUKIの跳時空-』、『YOUKIの直球』、『マウンドファーザー』などがあります。また、短編集として『RISING』や『野部利雄選集』も刊行されています。

野部利雄にまつわるエピソードとして、『のぞみウィッチィズ』と『妖精大戦NOA』の連載中に、それぞれの作品の主人公の名前の元になった作家（司馬遼太郎、星新一）が亡くなっているという出来事があります。また、通常2～3人程度であるアシスタントの数が、常勤で10人前後と非常に多いことも特徴です。

彼のアシスタントには、中原裕、椎名高志（『のぞみ♡ウィッチィズ』のオリンピック編でモブを担当）、モリ淳史、浦沢直樹、矢野健太郎、山内繁利、吉田ひろゆきなどがいました。特に椎名高志は、モブキャラクターでありながら、非常に個性的なキャラクターを描いていたことが知られています。

野部利雄の作品は、古き良き時代の漫画の雰囲気を残しつつ、様々なジャンルに挑戦する姿勢が魅力です。読者を楽しませることを第一に考えたエンターテイメント作品は、多くのファンを魅了し続けています。

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