野間康久

野間 康久（のま やすひさ）

野間康久は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。出自は摂津国川辺郡の野間庄（現在の大阪府伊丹市）であり、長前という初名で知られています。彼は若江三人衆の一人として名を馳せた人物であり、その生涯は複雑な歴史の中で展開されました。

生い立ちと初期の経歴

野間氏は、伊丹氏に仕える有力な国人領主として地域で影響力を持っていました。父である野間右兵衛尉長久は、三好長慶に仕え、越水城主として知られる存在でした。1540年、長久は長慶から知行を任され、忠実な家臣としての役割を果たしました。その後、松永久秀との関係も深く、長久は久秀方の「越水衆」として戦いに参加しました。

武将としての活躍

三好長慶が義継に代替わりすると、長久の子である康久もまたこの新しい政権に仕官します。康久は義継の奉行人となり、金山信貞と共に西宮西蓮寺の住持職を安堵しました。この時期、足利義昭が摂津・河内・和泉に軍勢を派遣した際、康久は義継の家臣として名を連ねます。彼は信長家臣の佐久間信盛や柴田勝家と共に行動し、幕府の陪臣としての地位を確立しました。

天正元年には、織田信長による攻撃が開始され、康久は義継の近臣である金山信貞を自害させることに成功します。これにより義継は自害し、康久は信長に降伏。その後は若江城に居城し、北河内の支配に従事するようになります。この功績により、彼は「若江三人衆」と呼ばれるようになり、名声を高めました。彼らは信長の与力としても活動し、茶会に出席するなど、信長との親密な関係が見られます。

晩年とその後

天正10年、本能寺の変が起きると、康久は羽柴秀吉に対して妻を人質として送り、同年10月には秀吉から直筆の書状を受け取ることになります。その後、康久や若江三人衆は河内から移封され、その行く先については詳細が不明のままとなります。

康久の一族や子孫についても記録が残っており、『寛政重修諸家譜』には彼の系図が記されています。長久の子供たちも多く、池田丹波某の妻や左吉（康久）の氏名が挙げられています。康久の弟や子供たちも、異なる道を歩みながらも、大名や武将として仕官していきました。彼の子である勘介は、関ヶ原の戦い後には小早川秀秋に仕官し、その子孫は鳥取池田家に仕えています。

また、尾張藩の医師家系も康久の子孫とされ、長年にわたり徳川家に仕官し続けたと言われています。

影響と遺産

康久の存在は、戦国時代の武将として余波を残しました。彼の一族や子孫はその後の歴史においても重要な役割を果たし、彼が築いた血脈は長い時間を経てなお、さまざまな形で受け継がれていったのです。康久は戦国の激動の中で、名を刻んだ武将として名高く、後世に語り継がれる存在となりました。

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