金のなる樹は誰のもの

金のなる樹は誰のもの

1976年4月12日から6月28日にかけて、NET系列で放送されたテレビドラマ『金のなる樹は誰のもの』。全11話で構成される、遺産相続を巡るコメディ作品です。月曜夜8時の枠はそれまで3年間バラエティ番組が放送されていましたが、本作でドラマへと衣替えされました。

50億円を巡る争奪戦

物語の中心は、50億円という巨額の遺産を持つ老人の死をきっかけに巻き起こる相続騒動です。莫大な財産を巡り、登場人物たちの思惑が複雑に絡み合い、笑いとユーモアに満ちた展開を見せていきます。相続人たちの様々な策略や、予想外の出来事が次々と発生し、視聴者を飽きさせない工夫が凝らされています。

制作陣とキャスト

脚本は佐々木守氏が全話担当し、監督は真船禎氏が全話担当しました。音楽は宮川泰氏が担当。制作はNETと、それまで同枠のバラエティ番組を企画・制作していた渡辺プロダクションが「渡辺企画」として参加しています。このドラマは、渡辺プロダクションにとって、バラエティ番組制作からドラマ制作への新たな挑戦でもありました。

キャストには、志村喬さん、篠田三郎さん、小柳ルミ子さん、渡辺美佐子さん、有島一郎さん、吉田義夫さん、柴俊夫さん、下川辰平さんなど、個性豊かなベテランから若手まで幅広い俳優陣が出演。彼らの絶妙な演技が物語に深みと魅力を与えています。特に、小柳ルミ子さんは主題歌「この街夕暮れ」（作詞・作曲：布施明）も担当し、作品の世界観をさらに盛り上げています。

原作と脚本

本作は、南条範夫氏の作品「からみあい」を原作としています。佐々木守氏の手による脚本は、原作の世界観を踏襲しつつ、独自の解釈を加え、テンポの良いストーリー展開とユーモラスな演出で、多くの視聴者を魅了しました。佐々木守氏の著作「故郷は地球」には、このドラマ制作の裏話なども収録されているかもしれません。

短命に終わったドラマ

『金のなる樹は誰のもの』は全11話という、比較的短い放送期間で終了しました。月曜8時枠というプライムタイムにおいて、バラエティ番組からドラマへの変更という、視聴率獲得という点においては冒険的な挑戦だったと言えるでしょう。しかしながら、個性的なキャラクターとテンポの良いストーリー展開、そして豪華な俳優陣の共演によって、視聴者から一定の評価を得たことは間違いありません。短いながらも、多くの視聴者に記憶に残る作品となったことは確かです。

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