金丸三郎

金丸三郎について

金丸三郎（かねまる さぶろう）は1914年2月8日に鹿児島県出水市に生まれ、2007年8月15日に亡くなった日本の著名な官僚及び政治家です。彼の経歴は多岐に渡り、地方自治や国家運営における貢献が評価されています。

彼は鹿児島県立第一鹿児島中学校（現在の鹿児島県立鶴丸高等学校）、第七高等学校造士館（後の鹿児島大学）を卒業し、その後、東京帝国大学（現在の東京大学）法学部を卒業しました。1938年に内務省に入省し、地方局に配属されると、長官官房長、税務局長、鹿児島県副知事といった要職を歴任し、自治事務次官にまで昇進しました。

1967年4月、金丸は鹿児島県知事に就任し、その後の3期にわたってこの職を全うしました。特に有名なのは、1973年から続いた「白黒論争」と呼ばれる鹿児島県における養豚の是非を問う論争です。この論争は県庁内部から始まり、地域全体へと広がっていきました。金丸は、地域の特産として黒豚を残すという決断を下し、地域経済の振興に寄与しました。

その後、国政に転身し、1977年には鹿児島地方区から参議院選挙に立候補し初当選しました。1989年に政治活動を引退するまでに、彼は参議院議員として2回当選しました。1988年から1989年にかけては、竹下改造内閣の総務庁長官として国政においても重要な役割を果たしました。

金丸は、学識にも優れ、法学士としての専門性をもって数多くの著書を残しています。代表的な著作に『實例判例挿入地方自治法講義』（1947年）や『新選挙制度論』（1966年）、『美意延年』（1974年）などがあり、これらは日本の地方自治や選挙制度の理解に寄与しました。

彼の業績が認められ、1989年には勲一等瑞宝章を受章し、叙従三位に叙されたことからも、その評価の高さが伺えます。

金丸三郎は93歳という長い生涯を送り、公共の利益のために尽力し続けました。彼の人生は、官僚としてのキャリアと政治家としての役割が合わさり、地域と国に対して多大な影響を与えたものとして歴史に刻まれています。

もう一度検索