金乗院 (所沢市)

金乗院（こんじょういん）の紹介

埼玉県所沢市上山口にある金乗院は、真言宗豊山派に所属する寺院であり、山号は吾庵山、寺号は放光寺として知られています。この寺院は千手観音を本尊としており、山口観音とも称されています。金乗院は、古くから観音信仰の霊場として広く信仰を集めており、多くの参拝者がこの地を訪れています。

歴史

金乗院の歴史は古く、伝承によると空海によって弘仁年間（810年 – 824年）に開かれたと言われています。この時期に観音像や観音堂が設立され、寺院はその後の発展を遂げてきました。また、鎌倉時代末期の新田義貞が鎌倉を攻めた際には、彼がこの寺で祈願を行ったという逸話も残されています。

本堂に祀られている本尊の千手観音は秘仏であり、特別な時にのみ開帳されます。実際、33年に一度のペースで開帳され、近年では開創1200年を祝う特別なイベントとして、平成29年（2017年）4月29日から5月1日まで開かれました。この機会に多くの参拝者が訪れ、千手観音の神秘に触れることができました。

また、本尊の脇に祀られているのは不動明王と毘沙門天で、これらの仏像も多くの信仰を集めています。

院内の構造と施設

金乗院の境内には様々な文化財や施設が存在します。中でも、宝暦12年（1762年）に建立された本堂は、多くの人々に親しまれています。また、境内にはブレイクベル（マニ車）、山門、手水舎、霊馬堂、大日堂、千躰観音堂、仏国窟などの施設が点在しています。

さらに、西国三十三ヶ所や四国八十八ヶ所の札所もあり、信仰の拠点としての役割を果たしています。水子地蔵や玉佛堂、地蔵堂、七福神堂、閻魔堂など多彩な施設があり、それぞれに訪れる信者や観光客に深い意味を提供しています。

金乗院は、武蔵野三十三観音霊場の第13番札所であり、狭山三十三観音霊場の第1番札所でもあります。また、武蔵野の七福神（布袋）にも関連しており、宗教的な側面だけでなく地域の文化の一端を担っています。

所在地とアクセス

金乗院は、埼玉県所沢市上山口2203に位置しています。最寄り駅は西武鉄道狭山線と山口線の西武球場前駅で、公共交通機関を利用して気軽に訪れることができます。

文化財

金乗院には市指定の文化財も存在します。木造千手観音立像や朝鮮式銅鑼、十夜講双盤鉦及び太鼓など、歴史的な価値の高い品々が保存されており、訪れる人々にその魅力をもたらしています。

関連文献

金乗院に関する情報は、斎藤長秋編の「巻之四 天権之部 山口観音」や「新編武蔵風土記稿」などの文献に詳しく記載されています。

まとめ

金乗院は、その歴史と文化、風景が融合する特別な場所です。観音信仰を中心とした深い spiritual legacy を持つこの寺は、多くの人々にとって心の拠り所となっていることでしょう。訪問者はここで静かなひとときを過ごし、仏の教えに耳を傾けることができます。

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