金元弘

金元弘の経歴と役割

金元弘（キム・ウォンホン、1945年7月17日生まれ）は、朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮において重要な軍人かつ政治家として知られています。彼は朝鮮労働党中央委員会政治局員や党中央軍事委員会の委員、さらには国務委員会のメンバーなど、数々の重要な職を歴任してきました。彼の軍事の称号は大将であり、軍の中での地位も非常に高いものでした。

早期のキャリア

金元弘は1950年代から1960年代にかけて軍においてキャリアを積み、冷戦期の北朝鮮の政治・軍事活動に深く関与してきました。彼は保衛司令部の司令官を務めた後、2009年には朝鮮人民軍総政治局の副局長（組織担当）に転出しました。このように、彼は北朝鮮の軍事組織内で影響力を持つ者として台頭してきたのです。

党内での地位

金元弘の党内での地位は、2010年9月に開催された朝鮮労働党の第3回党代表者大会において中央軍事委員会の委員に選出されたことから明確になりました。その後、2012年の第4回党代表者大会では政治局員に選出され、同年の最高人民会議では国防委員会の委員にも選ばれています。彼は特に、一般市民の思想的動向を監視し、「反革命分子」を摘発する役割も果たしていました。

制裁とその影響

金元弘は2017年1月にアメリカ財務省によって人権侵害に関与したとして経済制裁の対象となり、米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁止される事態となりました。このような国際的な圧力は、彼の政治的立場にも影響を及ぼす可能性があります。

解任と降格

しかし、その後の2017年2月には、国家保衛相から解任され、さらに大将から少将へと降格されたことが報じられました。この背景には、党組織指導部による検閲や人権侵害、越権行為が含まれており、彼の影響力に大きな影を落としました。同時期には、国家保衛省の幹部多数が処刑されたという一連の出来事も報じられています。

復帰とその後

2017年4月には、金日成生誕105周年を祝う軍事パレードにおいて大将に復帰したことが判明しましたが、国家保衛相に復帰したかどうかは不明です。この復帰の背景には、彼が病気休養をしていたか、党内の反省を受けたかが指摘されています。

結論

彼のキャリアの波乱に満ちた経歴は、北朝鮮内部の権力闘争や国際社会との関係が如何に影響を与えるかを物語っています。金元弘は今なお北朝鮮の政治・軍事において重要な役割を担っている人物であり、今後の動向に注目が集まります。

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