金刀比羅神社 (恵那市山岡町原)

金刀比羅神社の概要

金刀比羅神社は、岐阜県恵那市山岡町原に位置する神社で、地元の人々からは「ことひらさん」として親しまれています。延宝元年（1673年）に、美濃国恵那郡原村の村民たちが、讃岐国（現在の香川県）にある金刀比羅宮から神様を分けてもらい、祠を建てたのが始まりとされています。この分祀は、地域の安全と繁栄を願う強い思いの表れでした。

明和元年（1764年）には、より立派な本殿が新築され、神社の格式を高めました。宝暦年間には、小木曽喜兵衛という人物が村の代表として、金刀比羅宮へ33回も参拝し、その度に持ち帰った神聖な土を本殿に納めたという記録が残っています。これは、神への深い信仰心と、神社を大切に思う気持ちを表しています。

境内には、日清戦役紀念碑、日露戦役紀念碑、殉國之碑、忠魂碑が建立されており、この地域（恵那郡鶴岡村）の戦没者や英霊を祀っています。これらの碑は、過去の戦争で犠牲になった人々を追悼し、平和への祈りを込めたもので、神社の歴史の一部として静かに佇んでいます。

旧社格は村社でしたが、昭和38年（1963年）1月には、岐阜県神社庁から県神社庁長参向指定神社（金幣社）に指定され、県内でも重要な神社の一つとして認められました。

祭神

金刀比羅神社では、以下の神様が祀られています。

大物主神（おおものぬしのかみ）
崇徳天皇（すとくてんのう）

大物主神は、国土経営や農業、医療など、人々の生活全般を守護する神様として知られています。また、崇徳天皇は、平安時代末期の天皇で、歌人としても知られています。これらの神様を祀ることで、地域の人々は様々なご利益を期待しています。

祭事

金刀比羅神社では、以下の祭事が執り行われます。

春の大祭：4月第2日曜日
秋の大祭：11月第2日曜日

これらの祭りは、地域の人々にとって大切な行事であり、多くの参拝者で賑わいます。祭りの際には、神楽や様々な奉納行事が行われ、神様への感謝と地域の繁栄を祈ります。

交通アクセス

金刀比羅神社へのアクセスは、恵那市自主運行バス山岡地区[52]吹越線を利用し、「金刀比羅神社」バス停で下車後、徒歩約2分です。バスの本数は限られているため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。また、自家用車での訪問も可能ですが、駐車スペースに限りがあるため、注意が必要です。

まとめ

金刀比羅神社は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。静かで落ち着いた雰囲気の中で、歴史の重みを感じることができます。近くにお越しの際には、ぜひ訪れてみてください。

参考文献

木村照 編『岐阜県の主要神社巡り』長良天神社、1997年。

外部リンク

金刀比羅神社（岐阜県神社庁）

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