金刺不二太郎

金刺不二太郎

金刺不二太郎（かなさし ふじたろう、1895年5月18日 - 1980年1月4日）は、日本の政治家であり、戦後の川崎市の発展に大きく貢献した人物です。彼は7期にわたり川崎市長を務め、その間、全国市長会会長を4期務めるなど、地方自治の振興にも尽力しました。

生涯

静岡県賀茂郡出身の金刺は、東京工科学校を卒業後、政治の世界に足を踏み入れました。川崎市議会議員、同議長、神奈川県議会議員を経て、1946年の第22回衆議院議員総選挙に立候補しましたが、惜しくも落選しました。

しかし、同年8月には川崎市長に就任し、以後7期連続で市長を務めました。市長在職中は、全国市長会会長を4期務めたほか、自治庁参与、日本水道協会理事、日本万国博覧会協会理事など、数々の要職を歴任し、地方自治の発展に貢献しました。

金刺の市政は、戦後の復興期から高度経済成長期にかけての川崎市の発展を支えました。彼は、都市基盤の整備や産業の振興に力を注ぎ、川崎市を近代的な都市へと変貌させました。また、全国市長会会長として、地方自治の確立や地方財政の充実にも尽力しました。

しかし、1971年の市長選挙では、8期目を目指した金刺でしたが、多選批判や大気汚染などの公害問題の深刻化が争点となり、革新系の伊藤三郎に敗れました。これは、高度経済成長の陰で進んだ公害問題に対する市民の不満の表れであり、金刺の市政に対する批判でもありました。

1980年1月4日、金刺不二太郎は生涯を閉じました。彼の死後、その功績を讃え、川崎市には彼の名を冠した施設などが設けられています。

栄典

1955年 - 藍綬褒章

参考文献

『日本人事録 第6版』全国篇、中央探偵社、1963年。
日本国政調査会編『衆議院名鑑 第1回・1890年～第34回・1976年総選挙』、国政出版室、1977年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第1巻、歴代知事編纂会、1983年。

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