金城会

金城会

金城会（きんじょうかい）は、宗教法人である創価学会において、名誉会長を務める池田大作氏の身辺警護を専門に担当する人材グループです。

概要

金城会は、日本全国の各地域から選ばれた一般の創価学会員によって構成されており、その会員数は約2000名規模とされています。選抜される会員は、主に20代から30代の比較的若い男性が多く、体格に恵まれ、柔道や合気道、空手道といった武道の有段者が多い傾向にあると言われます。ただし、この2000名全てが常時警護活動にあたっているわけではなく、実際に警護の任を担う実働部隊は約500名程度と見られます。さらに、池田名誉会長の最も近い場所で直接的な身辺警護にあたるメンバーは、別に組織される「第一警備」と連携しつつ、約30名程度に絞られていると伝えられています。

歴史

金城会の起源は、1955年（昭和30年）頃に遡ります。当時の創価学会第2代会長であった戸田城聖氏が病気療養を繰り返す中、会長を間近で守りたいと願う創価学会員たちが自発的に集まり始めました。彼らはやがて「特別警備」、略して「特警」と呼ばれるようになります。この特別警備のメンバーは、「TK」という文字が刻まれたバッジを着用しており、その第1号のバッジは、当時青年部参謀室長であり、後に第3代会長となる池田大作氏が所持していたとされています。特別警備は、1960年（昭和35年）に池田氏が創価学会の会長に就任した後、「難攻不落の城壁のように堅固に守る」という強い決意と願いが込められた「金城会」という名称に改められ、現在に至ります。

使命と役割

金城会の身辺警護の対象は、創価学会の最高指導者である池田大作氏、ただ一人に限定されています。現在の会長である原田稔氏をはじめとする創価学会の他の幹部（理事長や主任副会長など）に対しては、金城会が身辺警護につくことはありません。彼らの身辺警護については、秘書や運転手といった側近が付添い人として兼務する形で行われています。

金城会は、その設立当初から、自らの生命を犠牲にすることも厭わず、池田名誉会長を護り抜くという強い使命感を根幹としています。この使命は、単に個人の安全を守るに留まらず、創価学会全体を外部からの脅威から守る「組織防衛」を最大の目的としています。具体的には、日蓮正宗や妙観講、冨士大石寺顕正会といった、創価学会と対立・批判的な立場にある宗教団体などの勢力から、教団の基盤を護ることが彼らの重要な役割です。金城会のメンバーは、創価学会の幹部から、「創価学会と池田名誉会長を全力で護り抜くこと」を徹底して指導されます。

過去には、金城会の使命の重要性を示す事件も発生しています。1993年（平成5年）11月から12月にかけて、オウム真理教が猛毒のサリンを用いて池田名誉会長の暗殺を計画した、いわゆる「池田大作サリン襲撃未遂事件」です。この暗殺計画は2度にわたり実行されましたが、いずれも未遂に終わりました。しかし、この事件を契機に、池田氏の身辺警護体制は一層強化されることになります。金城会の中からさらに厳選された精鋭メンバーにより、池田氏の身辺警護をより専門的に担当する部隊として「第一警備」が新たに発足しました。このことからも、金城会が創価学会の安全保障体制において、極めて重要な位置を占めていることが分かります。

金城会は、創価学会の運営を支える他の人材グループ（創価班、牙城会、白蓮グループなど）とは異なり、最高指導者の安全確保という、教団の存続に関わる中核的な役割を担っていると言えるでしょう。彼らの活動は、通常はあまり外部に知られることはありませんが、その存在は創価学会の組織を支える上で不可欠なものと認識されています。

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