金城梨紗子

金城梨紗子（きんじょうりさこ）は、1994年 11月21日生まれの日本の女子レスリング選手です。石川県河北郡津幡町出身で、身長160cm。現在はサントリービバレッジソリューションに所属しています。彼女の妹である恒村友香子もレスリング選手であり、姉妹で東京オリンピックでの優勝という偉業を成し遂げました。

生い立ちとレスリングとの出会い

金城梨紗子の父親である孝人は、グレコローマンレスリングの元学生チャンピオンであり、母親の初江は1989年の世界選手権53kg級で7位に入賞したという、レスリング一家に生まれました。彼女がレスリングを始めたのは小学校2年生の時で、母親がコーチを務める金沢ジュニアレスリングクラブでした。妹の友香子と優梨子も後にレスリングを習い始めました。母親は、自分の娘を特別扱いしていると思われたくなかったため、他の生徒以上に厳しく指導したと述べています。小学校6年生の時には、全国少年少女レスリング選手権大会33kg級で2位になりました。

津幡中学校3年生の時には、全国中学生選手権52kg級で優勝を果たしました。

高校・大学時代

2010年に至学館高校に進学すると、2年生の時にジュニアクイーンズカップカデットの部と全国高校女子選手権で優勝し、さらに世界カデット選手権でも優勝しました。全日本選手権51kg級では3位に終わりましたが、3年生の時には全日本選抜で優勝し、世界選手権代表に選ばれました。世界選手権では7位に終わりましたが、全日本選手権では55kg級で3位に入賞しました。

2013年に至学館大学に進学すると、ジュニアクイーンズカップジュニアの部で優勝、世界ジュニアでは優勝を果たしました。全日本選手権では59kg級で3位となりました。2014年にはワールドカップで全勝し、チームの優勝に貢献。ジュニアクイーンズカップジュニアの部で2連覇、アジア選手権58kg級でも優勝しました。世界ジュニアでは2階級制覇を達成しています。

リオデジャネイロオリンピックへ

2015年のワールドカップで優勝した後、周囲の勧めもあり、2階級上の63kg級で2016年リオデジャネイロオリンピックを目指すことになりました。全日本選抜で初優勝を果たし、世界選手権代表に選出されました。世界選手権では準優勝に終わりましたが、2016年12月の全日本選手権では60kg級で優勝し、オリンピック代表に内定しました。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、決勝でベラルーシのマリア・ママシュクを破り、金メダルを獲得しました。その活躍から県民栄誉賞や紫綬褒章を受章しました。全日本選手権では58kg級で優勝しました。

大学卒業後

2017年に至学館大学を卒業後、階級を60kg級に変更。アジア選手権で3度目の優勝を果たし、全日本選抜でも優勝しました。世界選手権では初優勝を飾りました。12月の全日本選手権では62kg級で優勝し、妹も59kg級で優勝し姉妹優勝となりました。2018年のワールドカップでは妹と共に全勝し、チームの優勝に貢献。全日本選抜選手権59kg級でも優勝しました。アジア大会では3位（後に2位に繰り上がり）となり、連勝記録は31でストップしましたが、世界選手権では2連覇を達成しました。

東京オリンピックへ

2020年東京オリンピックに向けては、姉妹での五輪出場を目標に、62kg級は妹に譲り、自身は57kg級での出場を目指しました。全日本選手権では伊調馨に敗れましたが、全日本選抜選手権で伊調を破り、プレーオフで世界選手権代表に選ばれました。世界選手権で優勝し、東京オリンピックの代表権を獲得しました。2020年の東京オリンピックでは、決勝でベラルーシのイリーナ・クラチキナを破って、オリンピック2連覇を達成。前日に妹の友香子も優勝していたため、姉妹でオリンピックチャンピオンとなりました。2021年12月には、記念のゴールドポストが設置されました。

近年の活動

2022年の全日本女子オープンレスリング選手権大会、全日本選手権では59kg級で優勝。2023年の全日本選抜選手権では57kg級で準決勝敗退となり、パリオリンピック出場は厳しくなりました。全日本選手権59kg級では優勝しましたが、パリオリンピック出場は叶いませんでした。2024年のアジア選手権では3位、全日本選抜選手権でも3位となりましたが、世界選手権59kg級代表決定プレーオフで勝利し、代表に選出。世界選手権では優勝を果たしました。

私生活

金城梨紗子は、10代の頃からの倖田來未ファンであり、試合前には彼女の楽曲を聴いて士気を高めています。リオデジャネイロオリンピック後には倖田本人と親交を深めています。2021年8月27日には、同じレスリング選手の金城希龍と結婚。2022年5月10日には第一子となる長女を出産しました。結婚後も現役を続けています。2024年4月には日大大学院の総合社会情報研究科に進学しました。

セクハラ告発

2019年11月には、石川県レスリング協会会長の下池新悟による暴言や嫌がらせを非難しました。また、母親が指導するクラブの教え子を国体に出場させなかったり、気に入らない者をクビにするなど協会の私物化を図っていると訴えました。これに対して下池は、発言を否定しました。その後、石川県レスリング協会の副会長が下池の辞任を要求するに至りましたが、協会は副会長を除名しました。

主な戦績

2006年 - 全国少年少女レスリング選手権大会 2位（33kg級）
2009年 - 全国中学生選手権優勝（52kg級）
2011年 - ジュニアクイーンズカップカデットの部優勝（52kg級）
2011年 - 全国高校女子選手権優勝（52kg級）
2011年 - 世界カデット選手権優勝（52kg級）
2011年 - 全日本選手権 3位（51kg級）
2012年 - ヤリギン国際大会優勝（51kg級）
2012年 - クリッパン女子国際大会シニアの部優勝（51kg級）
2012年 - 全国高校女子選手権優勝（56kg級）
2012年 - 全日本選抜優勝（51kg級）
2012年 - 世界選手権 7位（51kg級）
2012年 - 全日本レスリング選手権大会 3位（55kg級）
2013年 - ジュニアクイーンズカップジュニアの部優勝（55kg級）
2013年 - 全日本選抜 3位（55kg級）
2013年 - 世界ジュニア優勝（55kg級）
2013年 - 全日本選手権 3位（59kg級）
2014年 - ワールドカップ優勝（58kg級）
2014年 - ジュニアクイーンズカップジュニアの部優勝（59kg級）
2014年 - アジア選手権優勝（58kg級）
2014年 - 全日本選抜 2位（58kg級）
2014年 - 世界ジュニア優勝（59kg級）
2015年 - ワールドカップ優勝（58kg級）
2015年 - 全日本選抜優勝（63kg級）
2015年 - 世界選手権 2位（63kg級）
2015年 - 全日本選手権優勝（60kg級）
2016年 - アジア選手権優勝（63kg級）
2016年 - リオデジャネイロオリンピック優勝（63kg級）
2016年 - 全日本選手権優勝（58kg級）
2017年 -　アジア選手権　優勝（60kg級）
2017年 - 全日本選抜優勝（60kg級）
2017年 - 世界選手権　優勝（60kg級）
2017年 - 全日本選手権優勝（62kg級）
2018年 - ワールドカップ優勝（62kg級）
2018年 - 全日本選抜選手権　優勝(59kg級)
2018年 -　アジア大会　3位(後に2位に繰り上がった)（62kg級）
2018年 - 世界選手権　優勝（62kg級）
2018年 - 全日本選手権　2位(57kg級)
2019年 - 全日本選抜選手権　優勝(57kg級)
2019年 - 世界選手権　優勝(57kg級)
2019年 - ワールドカップ優勝(57kg級)
2020年 -　アジア選手権　優勝(57kg級)
2021年 -　東京オリンピック　優勝(57kg級)
2022年 -　全日本女子オープンレスリング選手権大会優勝（59kg級）
2022年 - 全日本選手権　優勝（59kg級）
2023年 - 全日本選抜選手権　5位(57kg級)
2023年 - 全日本選手権優勝（59kg級）
2024年 -　アジア選手権　3位(59kg級)
2024年 - 全日本選抜選手権　3位(59kg級)
2024年 - 世界選手権　優勝(59kg級)

(出典)

脚注

外部リンク

金城梨紗子 (@risako_kawai) - X（旧Twitter）
金城梨紗子 (@risako_kawai) - Instagram
* 金城梨紗子 - International Wrestling Database （英語）

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