金子家 (男爵家)

金子家の歴史と概要

金子家（かねこけ）は、物部氏の直系として知られる華族の男爵家です。物部氏の起源は古代に遡り、饒速日命の子孫である尾琴連から始まります。金子家は、宇麻志摩命を祭神とする物部神社の宮司職を代々継承してきた社家でもあります。特に中世の時代においては、金子という名字を名乗るようになりました。

江戸時代には、神社の領地として300石を領有していました。金子家が華族として認められるきっかけとなったのは、明治時代のことです。明治8年の6月30日、44代目の金子有卿が浜田県から内務省宛てに、家系の歴史を述べた伺いを出しました。彼の家系は古くから国造職を担っていたこと、そして古い名族としての地位があったため、華族に列せられることを請願しました。

この請願に対し、内務省は金子家を社家の中でも特に優れた家系の一つとして評価し、華族編列を認めました。明治17年には華族令が公布され、華族は五爵制に移行しました。この時、金子有卿は男爵に叙せられました。

金子家の2代目男爵である金子有道は、久邇宮家の御用掛として活動し、御歌所にも参候し、貴族院の男爵議員も務めました。3代目男爵となった金子吉忠は海軍将校として知られています。彼の代では金子男爵家の住居は神奈川県藤沢町の鵠沼に位置していました。

金子家の歴史は、物部神社の影響を色濃く受けながら、多くの時代を経て現在に至っています。彼らは古代から連なる名族としての自負を持ち、伝統とともに華族の地位を保持しています。

参考文献

• - 華族大鑑刊行会『華族大鑑』日本図書センター〈日本人物誌叢書7〉、1990年（平成2年）。
• - 松田敬之『〈華族爵位〉請願人名辞典』吉川弘文館、2015年（平成27年）。
• - 森岡浩『日本名門・名家大辞典』東京堂出版、2012年（平成24年）。

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