金子満広

金子 満広の生涯

金子満広（かねこ みつひろ、1924年11月17日 - 2016年4月18日）は、日本の政治シーンにおいて重要な役割を果たした政治家であり、日本共産党の中での活動が特に広く知られています。群馬県に生まれた金子は、1942年に旧制中学校を卒業し、その後1944年に運輸通信省鉄道教習所を卒業しました。彼は国有鉄道の東京鉄道局水上機関区で勤務を開始し、1946年には国鉄労働組合（国労）の結成に参加し、労働運動に積極的に関与しました。

1949年には国労の高崎支部長を務めたものの、同年中に国鉄を解雇されることとなります。この経歴は金子自身の著作において「レッドパージ」と表現されており、以後彼は党務に専念することとなります。1961年からは日本共産党の党中央委員会に勤務しました。

金子は1972年に実施された第33回衆議院議員総選挙で初めて当選し、その後6期にわたって衆議院議員として活動しました。彼は東京8区から立候補し、首都圏整備審議会の委員にも名を連ねました。しかし1976年には選挙で落選し、1979年には再び当選を果たし、1980年には3回目の当選を迎えました。

金子は1982年に日本共産党の書記局長に就任し、その後も数々の重要なポジションに就任しました。彼は1989年に日本共産党の委員長代行となり、さらに1990年には副委員長にも就任しています。各選挙での成功とともに、国家政策に対する強い信念を持ち続け、特に選択的夫婦別姓制度の導入に賛同する姿勢を見せました。

金子は1996年、第41回衆議院議員総選挙での当選を最後に、2000年に国会議員活動を終え、政界から引退しました。彼の活動は労働運動に留まらず、国際関係にも影響を与えました。日本共産党における役職としては、統一戦線部や国際委員会の委員長、さらには日本とソ連、およびベトナムとの友好関係を推進する団体で役員を務めていました。また、世界平和協議会の副議長も務めました。

金子は政治的活動だけでなく、著作活動にも意欲的でした。主な著書には『70年問題と統一戦線』や『原水爆禁止運動の原点』などがあり、思想や信念を広く伝える努力をしていました。彼は91歳で脳内出血により東京都新宿区の病院で逝去するまで、多くの人々に影響を与え続けました。彼の人生と業績は、日本の政治史において色濃く残るものとなっています。

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