金子登

金子登の生涯と業績

金子 登（かねこ のぼり、1911年11月23日 - 1987年7月6日）は、神奈川県出身の日本の指揮者であり、東京芸術大学の名誉教授として知られています。彼の音楽キャリアは多岐にわたり、その影響は日本のクラシック音楽界において非常に大きなものでした。

学歴と初期のキャリア

1934年、東京音楽学校のピアノ科を卒業した金子は、音楽の道を進むためにヨゼフ・ローゼンシュトックに指揮を学び始めました。2年後、東京音楽学校研究科を修了し、さらに副科でファゴットを学びました。彼は紀元二千六百年奉祝交響楽団にファゴット奏者として参加し、音楽家としての基礎を築いていきました。

金子は1936年に服部正が設立したコンセール・ポピュレール、後の青年日本交響楽団にファゴット奏者として参加し、1942年からは指揮者としても活動を始めました。第二次世界大戦中の1943年から1945年には東京交響楽団の常任指揮者を務め、1945年にはアーニーパイル交響楽団を設立しています。

留学と指揮活動

1952年から1956年にかけてウィーンに留学し、クレメンス・クラウスやカール・ベームといった著名な指揮者に師事した金子は、帰国後の1972年には神奈川フィルハーモニー管弦楽団の理事となり、同楽団の常任指揮者も務めました。また、1962年から1986年には立教大学メサイア演奏会の指揮者としても活躍しました。

金子登はその在任中、多くの弟子たちを指導し、彼らが後に著名な指揮者として成長する手助けをしました。若杉弘、三石精一、矢崎彦太郎、松本紀久雄など、彼が直接指導した指揮者たちは、今も音楽界で活躍しています。晩年になってからは本多敏良や川合良一といった若い世代の指揮者も育てました。

受賞歴と業績

金子の業績は日本国内外で高く評価され、1979年には紫綬褒章、1985年には勲三等瑞宝章を受賞しました。これらの栄誉は彼の音楽に対する献身と情熱の証です。

作曲活動

彼は校歌の作曲も手がけており、東北電子工業高等学校（現在の仙台城南高等学校）の校歌や宮城県岩出山高等学校の校歌など、いくつかの学校関係の作品があります。

結論

金子登は、日本の音楽界に大きな影響を与えた指揮者であり、教育者としての側面も持つ偉大な音楽家です。彼の残した業績と教えは、今後の音楽界においても多くの人々に受け継がれていくことでしょう。

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