三石精一

三石精一（みついし せいいち、1932年3月28日 - ）は、日本の著名な指揮者です。東京都で生まれ、幼少期からピアノに親しみ、ピアニストを目指していましたが、手の故障によりその道を断念せざるを得ませんでした。その後、作曲を下総皖一に師事する傍ら、コンサートピアニスト以外の伴奏活動を継続しました。

1950年、東京藝術大学の受験を前に、金子登に指揮者の道を勧められたことをきっかけに、同大学の指揮科に第一期生として入学。水谷達夫にピアノを、下総皖一に作曲を、金子登、クルト・ヴェス、渡邉暁雄らに指揮を師事しました。1955年に同大学を卒業後、大学院指揮科専攻科に進み、翌年修了。その後、東京藝術大学指揮科および同大学附属高校で教鞭を執るようになりました。初期には主にピアニストとして、ヴァイオリンの諏訪根自子、声楽の藤原義江、大谷冽子、砂原美智子、アリゴ・ポーラ、ゲルハルト・ヒュッシュ、木琴の平岡養一など、著名な演奏家たちの伴奏者としても活躍しました。

1956年、長門美保歌劇団の公演で、メノッティ作曲の「泥棒とオールドミス」と「電話」の指揮を担当し、指揮者としてのデビューを果たしました。その後、ABC交響楽団でのコンサート活動や、藤原歌劇団、谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団などで指揮を務めました。1959年には、藤原歌劇団でブリテン作曲の「小さな煙突掃除」とラヴェル作曲の「スペインの時」を日本初演するなど、意欲的な活動を展開しました。

1965年には、東京音楽大学にオーケストラの指導者として迎えられ、1969年には読売日本交響楽団を指揮し、自身初のリサイタルを開催しました。1973年にはヨーロッパに渡り、各地で研鑽を積み、1976年には東京音楽大学の教授に就任（2002年まで務めました）。1981年にはヨーロッパ公演も成功させ、国際的な活動も展開しました。1997年には、東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督・常任指揮者に就任し、2004年には社団法人青少年音楽協会の会長に就任するなど、多岐にわたる分野で活躍しました。

教育者としては、東京藝術大学指揮科、東京藝術大学附属高校、愛知県立芸術大学、国立音楽大学大学院などで、後進の育成に尽力しました。

また、多くのアマチュアオーケストラの指導にも力を注ぎ、東京大学音楽部管弦楽団からは桂冠指揮者の称号を贈られています。

三石精一の業績は、佐野之彦著『N響80年全記録』（文藝春秋、2007年）にも掲載されています。

関連リンクとして、東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団の公式サイトや、麻生フィルハーモニー管弦楽団の公式サイトがあります。

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