金容燮 (歴史学者)

金容燮（キム・ヨンソプ）

金容燮（김용섭、1931年10月8日 - 2020年10月20日）は、大韓民国を代表する著名な歴史学者であり教育者です。その研究領域は主に李氏朝鮮時代以降の農業経済史に集中していました。彼は延世大学校の名誉教授で、韓国歴史学界において影響力を持つ人物として広く知られています。

生涯

金容燮は、日本の統治下にあたる朝鮮の江原道通川郡に誕生しました。彼は朝鮮戦争が勃発する前に南韓に移住し、学業に邁進しました。1955年にソウル大学校の師範大学で史学を専攻し卒業。その後、1957年には高麗大学大学院で史学修士の学位を取得、さらに1983年に延世大学大学院で韓国史の博士号を取得しました。

彼のキャリアは非常に長く、1958年から1975年にはソウル大学校にて教授として教育に従事。その後、1975年から1997年まで延世大学校に移り、文科大学史学科の教授を務めました。定年を迎えた後も、学際的な探求に情熱を注ぎ、2000年には大韓民国学術院の会員として認められました。

研究業績

金容燮は、主に18世紀以降、特に李氏朝鮮時代の後期における農業経済の動向を研究しました。彼は、朝鮮の農業近代化が日本の植民地支配の影響下にあり、その過程において内的な発展もあったと主張し、具体的な証拠として土地台帳等の詳細な分析を保持しました。これにより、彼は朝鮮が李氏朝鮮末期から内発的に近代化する可能性を秘めていたとの見解を提示しました。

主な著作

金容燮の研究業績は多数の著書にまとめられています。彼の代表的な著作には以下のものがあります：

• - 『양안연구（1960年）』
• - 『조선후기농업사연구（1970年）』
• - 『한국근대농업사연구（1975年）』
• - 『한국근현대농업사연구（1992年）』
• - 日本語版『韓国近現代農業史研究：韓末・日帝下の地主制と農業問題（2002年）』
• - 『증보판 조선후기농업사연구1（1995年）』
• - 『한국사학논총（1997年）』
• - 『한국중세농업사연구（2000年）』
• - 『증보판 한국근현대농업사연구（2000年）』
• - 『역사의 오솔길을 가면서（2011年）』

また、2020年には彼の業績をまとめた著作集『김용섭 저작집 1∼9』が刊行され、多くの後進の研究者に影響を与えています。

その他の業績

金容燮はその学問的貢献が高く評価され、多くの学術賞を受賞しました。特に1997年には国民勲章冬柏章も受章しています。韓神大学校の教授、ユン・ソヨンは「金容燮先生は封建制に向き合い、朴玄埰先生とともに、朝鮮戦争以後の韓国における最高の知識人である」と評価しました。彼の業績と教えは、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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