金峰山 (山梨県・長野県)

金峰山（きんぷさん/きんぽうざん）

金峰山は、山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村の境界に位置する、標高2,599mの山です。別名「甲州御岳山」とも呼ばれています。奥秩父山地の主脈に位置し、秩父多摩甲斐国立公園内に含まれています。日本百名山、新日本百名山、花の百名山、山梨百名山、甲府名山に選定されており、登山愛好家にも人気の高い山です。

特徴

金峰山は、山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼ばれます。山頂からは360度の展望が開け、特に目を引くのは「五丈岩」と呼ばれる巨岩です。山頂には三等三角点も設置されています。また、金峰山は中央分水嶺でもあり、北側からは日本海に注ぐ千曲川の支流が、南側からは太平洋に注ぐ釜無川の源流が流れ出しています。

古くから信仰の対象とされ、山頂には蔵王権現を祀る金櫻神社の本宮があります。修験者による奉納品や経塚などの考古遺物も多く発見されており、平安時代からの信仰の歴史を物語っています。出土品は、刀子や釘などの鉄製品、土器や陶磁器、古銭、水晶製の数珠玉など多岐にわたり、現在山梨県立博物館で常設展示されています。

金峰山周辺は良質な水晶の産地としても知られ、明治初頭まで山梨県側には水晶鉱山が存在していました。

西側山麓の金山平には、奥秩父の踏破記録を残した田部重治と木暮理太郎のレリーフがあります。登山ルートは、山梨県北杜市の瑞牆山荘を経由するものが一般的ですが、長野県川上村の金峰山荘付近には、平安時代の修験者の宿坊跡も残っています。瑞牆山方面からの景観は特に美しく、県境の大弛峠から山頂を目指すルートもあります。

金峰山信仰

山頂の金櫻神社本宮は、古代から修験者たちの信仰を集めてきました。考古遺物の表面採集では、鉄製品、土器・陶磁器類、古銭、水晶製の数珠玉、土馬、装飾円盤など、平安時代からの多種多様な遺物が発見されています。これらの遺物は、甲府市教育委員会が所蔵し、山梨県立博物館で一般公開されています。この出土品群は、金峰山が信仰の山として長い歴史を持つことを示しています。

周辺の山小屋

金峰山周辺には、登山者のための山小屋がいくつかあります。

瑞牆山荘
金峰（きんぽう）山荘 - 長野県川上村の村営山荘
金峰山小屋
大日小屋（閉鎖）

隣接する山々

金峰山の周辺には、以下の山々が隣接しています。

北奥千丈岳
国師岳
朝日岳（朝日山）
瑞牆山
* 小川山

その他

金峰山は、その美しい景観と歴史的背景から、多くの人々に愛されています。登山ルートも複数あり、初心者から上級者まで楽しめる山です。また、山頂からの眺めは格別で、360度の大パノラマが広がります。特に、秋の紅葉シーズンは多くの登山者で賑わいます。周辺の山々との縦走も人気があり、体力に自信のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

金峰山は、その豊かな自然と歴史、そして信仰が融合した魅力的な山です。ぜひ一度訪れて、その素晴らしさを体感してください。

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