金川造船

金川造船株式会社について

金川造船株式会社（かながわぞうせん）は、兵庫県神戸市兵庫区に本社を構える造船会社です。日本中小型造船工業会に加盟しており、国内における中小型船舶の建造で知られています。特に、タグボートの建造においては豊富な実績を持ち、その数は700隻以上にものぼります。

工場の配置と工程

金川造船は、神戸市に2つの主要工場を運営しています。1つ目は吉田工場（兵庫区）で、ここでは新造船の建造と進水が行われます。2つ目は苅藻島工場（長田区）で、こちらでは艤装作業が行われ、新造船が完成を迎える重要な役割を果たしています。この工程は、効率的で高品質な船舶を生産するためのものであり、造船業界においても高い評価を得ています。

技術と実績

金川造船は、特にタグボートの建造において日本国内でトップシェアを誇ります。その証拠として、2018年から2019年にかけて、国内初のIGFコードに準拠したLNG燃料のタグボートを建造しました。この先進的なタグボートは、商船三井グループに引き渡され、日本船舶海洋工学会からは「シップ・オブ・ザ・イヤー2019作業船・特殊船部門賞」を受賞しました。

さらに、2022年には日本初の電気推進タグボートを完成させ、東京汽船に提供しました。これらの成果は、環境に配慮した船舶技術の先駆者としての地位を確立するものです。

設備とサポート

金川造船は、吉田工場と苅藻島工場それぞれに特化した設備を整備しています。吉田工場には、60m×10.5mの船台が2基あり、それぞれ1,000GTの収容能力を持っています。また、70/35tジブクレーンや10t・5tの門型クレーンも設置されています。苅藻島工場には、80mの艤装岸壁があり、40/20tジブクレーンと10t門型クレーンが用意されています。

さらに、同社は三菱重工業神戸造船所との提携により、船殻ブロックの製作も行っており、造船業界における協力関係を活かして確固たる地盤を築いています。

会社の歴史

金川造船の起源は1932年に遡ります。当初は金川組として発足し、建設業を中心に活動を始めました。1940年に鷹取工場を開設し、その後1944年には法人へと組織を改組しました。1951年に吉田工場と苅藻島工場を開設し、中小型鋼船の製造をスタート。1961年からは三菱重工業神戸造船所向けの製作を開始し、長い歴史の中で技術を蓄積してきました。

1973年には吉田工場の拡張が行われ、1992年には作業環境の改善と省力設備の導入を進めるためにその建屋の建て替えが実施されました。

このように、金川造船は単なる造船業者にとどまらず、技術革新と環境への配慮を重視した企業として、今後も新しい歴史を刻んでいくでしょう。

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