金日成バッジ

金日成バッジ

金日成バッジ（キム・イルソン バッジ）は、朝鮮民主主義人民共和国の国民が身に付ける、国家主席金日成の肖像が描かれたバッジです。現在、北朝鮮の国民は軍人や民間人を問わず、一定の年齢になるとこのバッジを左胸に着用することが一般的です。このバッジは「肖像徽章」とも呼ばれています。

概要

バッジのデザイン及び製造は平壌直轄市に所在する万寿台創作社で行われており、金日成の肖像が描かれたバッジは1950年代から量産されています。1970年代には中国の文化大革命の影響を受け、毛沢東のバッジのように日常的に身に着けるスタイルが普及しました。これにより、バッジの形状やデザインは多様化し、円形や団体の所属を示すもの、党大会の記念品など、様々なバリエーションが生まれました。また、大型のバッジを渡されることもあり、それらは特定の地位を持つ人々に与えられます。

金正日バッジも1990年代から制作されましたが、一般的にはあまり着用されていませんでした。しかし、金正日の死後、国民は金日成バッジと金正日バッジを一緒に着用するようになり、二人の肖像をデザインしたバッジも登場しました。このバッジは北朝鮮社会を象徴するものとなっており、外国人からはお土産としても人気があり、コレクターの間でも注目されるアイテムの一つです。一方で、中国製の偽物も多く存在しているため、注意が必要です。

バッジの種類

金日成・金正日の肖像は、使用される時期によって異なる服装で描かれています。例えば、軍服、人民服、背広、または晩年の太陽像が多く見られます。特に金正日については、死後は彼の晩年のジャンパー姿の肖像が一般的なデザインとなっています。

バッジの様々なデザインには、次のような種類があります。

• - 旗型: 現在流通している主なデザインで、朝鮮労働党の赤旗を模しています。党幹部用のバッジも由来とされています。日常的には左上に党のシンボルがデザインされています。
• - モクラン型: 円形で、下部にモクランの花が描かれた人気のあるデザインです。'
• - 青年前衛章: 青年同盟のメンバーが身につけるもので、赤色の扇型が特徴です。
• - 円形: 幅広いデザインがあり、肖像のみから花の絵柄が含まれたものまで多様です。

佩用方法

バッジは通常、左胸に着用され、特に男性の背広の場合は左襟に付けることが一般的です。勲章やメダルを着用する場合でも、これらよりも高い位置に取り付けられます。また、冬季の防寒服やコートには付けられず、通常は中の服に装着されます。ただし、軍人の場合は戦時や演習中には着用を控えることが多いですが、勤務中には左胸に着用しています。

その他の情報

訪問者に向けては、北朝鮮のガイドからバッジを指差さないよう念を押されることが多いです。なぜなら、肖像やバッジに対する配慮が必要とされているためです。また、バッジは出身成分を示す物の一つとも言われていますが、その真偽は確定していません。

バッジには専用の化粧箱が付属されている場合もあり、特定の関係者の間ではこれが評価される要素ともなっています。金日成バッジは、北朝鮮の文化に深く根ざしたアイコンであり、その歴史や 社会的意義は非常に興味深いものがあります。

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