金東成 (1890年生の政治家)

金東成（キム・ドンソン）

金東成（キム・ドンソン、1890年4月25日 - 1969年8月18日または22日）は、大韓民国のジャーナリスト、漫画家、文筆家、そして政治家として知られています。彼は、韓国国会議員としても活動し、雅号を千里駒（チョルリグ）とし、国会議員の金玉烈を娘に持ちました。金東成は、韓国の漫画の草創期において重要な役割を果たし、数々の業績を残しました。

生い立ち

金東成は京畿道の開城で裕福な家庭に生まれました。幼少の頃、父や祖父が男兄弟を持たない「三代独子」として育った彼は、大韓帝国末期に官立英語学校を卒業しました。彼は、記者や言論人になることを決意し、開城に設立された韓英書院に参加した後、1915年にアメリカ合衆国へ留学しました。

アメリカではオハイオ州立大学の新聞学科を卒業し、アメリカの発展した漫画文化に強い影響を受けました。この留学が後の彼の漫画家としての活動に大きな影響を与えることになります。

日本統治時代の活動

帰国後、金東成は1920年にジャーナリズムの道に入り、仁村金性洙や宋鎮禹と共に「東亜日報」の創刊に参加しました。その後、彼は同紙や「朝鮮日報」、「中央日報」などで記者や作家、漫画家として活動しました。

彼は1920年、朝鮮で初めて漫画を発表し、さらに「漫画の描き方」という創作理論を発表するなど、韓国における漫画の発展に寄与しました。このような功績から、金東成は韓国における初の海外特派員や国際記者大会の参加者、米軍政庁のパスポート所持者といった記録を持ちます。

解放後の活動

1945年の解放後、金東成は合同通信社の設立に参加し、初代社長を務めました。1948年には大韓民国の成立に伴い、初代公報処長として政府に関わるなど、政界での活動を広げました。また、彼は他の政治家同様に国会の副議長や議員としても活躍しました。

1950年には国会議員として当選し、さらに国際連合総会に韓国代表団として参加しました。また、イギリスのエリザベス2世の戴冠式にも随行員として関わるなど、数々の国際的な場面でも活動を展開しました。これらの経験は彼のジャーナリストとしての知識や見識を豊かにし、韓国における重要な政治的出来事を伝える力となりました。

晩年と著作

金東成は1950年代・1960年代の朴正煕政権下でも活動を続け、民主共和党中央常任委員などの要職を歴任しました。彼は晩年には韓国の歴史に貢献し、徐載弼の遺骸の大韓民国への奉還運動を推進しましたが、受け入れられなかったことで死後は穏やかな最期を迎えることとなります。

彼はまた、多くの文筆家としての著作を残しており、韓国における新聞学の草分けとも言われています。「新聞学」などの著作は今なお評価され続けています。

金東成は1969年8月18日に死去し、高陽市にある祖先の墓に埋葬されました。その生涯を通じて、彼は韓国社会に多大な影響を与え、多くの人々に記憶されています。

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