徐載弼

徐載弼（ソ・ジェピル）

徐載弼（1864年1月7日 - 1951年1月5日）は、朝鮮の著名な革命家であり、医師としても成功を収めた人物です。彼は「韓国のヴォルテール」と称され、幅広い思想的影響を持ちました。生まれは全羅南道宝城郡で、郡長官の家に育ちました。本貫は大邱徐氏です。幼少のころから金玉均と親交を結び、開化派の思想に影響を受けました。

申し分ない頭脳と情熱を持つ徐は、1882年に18歳で科挙に合格。その1年後には日本に留学し、慶應義塾で日本語を習得した後、東京の陸軍戸山学校で学びます。1884年には金玉均とともに帰国し、甲申政変に関わりますが、失敗。その後、日本の軍艦で一時的に亡命を余儀なくされました。しかし、日本は国際的な非難を恐れ、徐の支援には消極的だったため、彼はアメリカへ移住を決意します。彼の故郷に残された家族は、閔妃一族の粛清に遭い、悲劇的な運命を辿ることになります。

アメリカに渡った徐は、キリスト教に改宗しながら医学を学び、コロンビア医科大学の夜間部に進学します。そして1893年に卒業し、アメリカ市民権を獲得します。

1895年、下関条約の締結を受け、徐は帰国し独立協会を設立、独立新聞の発行に尽力します。しかし、彼の思想は大韓帝国政府に疎まれ、開化派運動は高宗の命により解散を命じられます。その結果、徐は1898年に再びアメリカに向かうことになります。

アメリカでは、米西戦争の際に軍医として従軍した後、フィラデルフィア大学で解剖学の講座を担当しつつ、商業にも手を出して成功を収めました。1910年には朝鮮が日本に併合され、徐はアメリカで活動する韓国人革命家たちを支援します。1919年3月1日に発生した3・1独立運動をきっかけに、彼は再び独立運動に身を投じ、国内に韓国人団体を組織し、ロビー活動を展開しました。

1919年には「韓人自由大会」を開催し、上海臨時政府の対米顧問にも任命されるなど、精力的に活動を続けました。1921年にはアメリカ大統領ウォレン・ハーディングと会見し、朝鮮の独立支援を求めました。

1947年、南朝鮮過渡政府が設立されると、アメリカ軍政庁が徐を最高顧問として招くことを考えます。徐は初めこの役職を辞退しましたが、最終的に帰国し、李承晩とも関わります。しかし、二人の間には次第に対立が生じ、徐は「50年前も今も派閥争いは変わらない」と嘆いたと言われています。

その後、徐は左右合作運動を支持し、1948年の選挙では大統領候補に推挙されるものの、李承晩とは相容れず、選挙出馬を拒否してアメリカに戻りました。

徐載弼は1951年にフィラデルフィアで亡くなります。彼の人生は、開化派運動や独立運動への貢献を通じて韓国の歴史に深い影響を与えました。

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