金王八幡宮

金王八幡宮について

金王八幡宮は、東京都渋谷区渋谷に位置する八幡神社で、旧社格は郷社です。渋谷の氏神様として、地域の人々から崇敬を集めています。

御祭神

御祭神は、応神天皇（品陀和気命・八幡大菩薩）です。

歴史

社伝によれば、寛治6年（1092年）に平武綱によって創建されたと伝えられています。平武綱は、前九年の役・後三年の役で源頼義・源義家父子に従って戦い、河崎基家と称していました。基家の子である渋谷重家は、堀河帝より渋谷の姓を賜り、渋谷城（現在の金王八幡宮）を築いて渋谷氏の祖となりました。

江戸時代には、徳川将軍家の信仰を得て、特に3代将軍徳川家光の乳母である春日局と、守役の青山忠俊によって、神門や社殿が造営されたとされています。江戸時代末期までは、金王八幡宮に隣接する渋谷山親王院東福寺（天台宗）が別当寺でした。当初は渋谷八幡と称していましたが、重家の嫡男である常光がこの神社に祈願した際、金剛夜叉明王の化身として生まれたことから、金王丸と称したことに由来し、社名に「金王」が用いられるようになりました。

小説『天地明察』の舞台にもなっており、当時は算額が多く奉納されていたことでも知られています。

境内

境内には、以下の様な施設があります。

本殿・拝殿: 慶長17年（1612年）造営。渋谷区指定有形文化財。
金王桜: 江戸の郊外三銘木の1つに数えられ、江戸時代後期に刊行された『江戸名所図会』にも描かれた桜です。源頼朝ゆかりと伝わる銘木で、渋谷区指定天然記念物です。
神楽殿
金王丸影堂
参集殿
社務所
大鳥居

摂末社

境内には、以下の摂末社があります。

玉造稲荷社
御嶽社: 祭神は櫛真智命。
豊栄稲荷神社: 道路を隔てて隣接していますが、元は渋谷駅近くにあり、渋谷氏によって創建されたと伝えられています。1961年（昭和36年）に現在地に移されました。

文化財

金王八幡宮には、数々の文化財が所蔵されています。

渋谷区指定文化財

有形文化財
金王八幡宮社殿及び門（附 渡り廊下）（建造物） - 1976年（昭和51年）3月26日指定、2010年（平成22年）10月7日に附の渡り廊下の追加指定。
有形民俗文化財
絵馬「大江山鬼退治之図」 2点 - 1993年（平成5年）2月5日指定。
算額 3点 - 嘉永3年（1850年）奉納、安政6年（1859年）奉納、元治元年（1864年）奉納の3点。1993年（平成5年）2月5日指定。
天然記念物
金王桜 - 1982年（昭和57年）2月18日指定。

氏子地域

渋谷区渋谷一丁目8〜17、渋谷二丁目16･18〜20、神南一丁目22は、金王八幡宮と関連する御嶽神社の氏子地域です。

所在地・アクセス

所在地は、東京都渋谷区渋谷三丁目5-12（六本木通りの南側）です。

渋谷駅（東口）より徒歩5分とアクセスも便利です。

その他

金王八幡宮は、渋谷の歴史と文化を今に伝える貴重な場所です。都会の喧騒を忘れ、静かで落ち着いた時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

関連情報

渋谷城
東福寺 (渋谷区)
池袋氷川神社 - 池袋総鎮守。
花園神社・熊野神社 (新宿区) - 新宿総鎮守。
天地明察

外部リンク

金王八幡宮 - 公式ホームページ
金王八幡宮 - 東京都神社庁のページ

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