比田勝港

比田勝港

比田勝港（ひたかつこう）は、長崎県対馬市上対馬町に位置する地方港湾です。港則法が適用される港湾であり、検疫港としても指定されています。港湾管理者は長崎県が担っています。

概要

比田勝港は、対馬島の最北部に近い西泊湾全体を港域としています。水深約20mと深く、天然の良港として知られていますが、明治初期まではほとんど開発されていませんでした。1907年（明治41年）にノルウェー式の捕鯨基地が建設されたことを契機に、朝鮮海峡海域における捕鯨の重要な拠点として急速に発展しました。

戦前には、下関港と朝鮮半島の釜山港を結ぶ連絡船が寄港し、対馬沿岸各地を結ぶ航路の結節点として栄えました。現在では、商港および漁港として、対馬島北部における中枢的な役割を果たしています。また、国際航路が存在する朝鮮海峡に面しているという地理的な条件から、GPSが普及するまでは長らくオメガ・ロラン・デッカ局が設置されていました。

2015年度のデータによると、比田勝港の発着数は13,775隻（総トン数653,633トン）に上り、そのうち外国商船は936隻（総トン数260,788トン）でした。利用客数は294,125人（乗船人員148,103人、上陸人員146,022人）で、国際航路の利用客数は281,576人（乗船人員143,219人、上陸人員138,357人）でした。2018年（平成30年）8月4日には、比田勝港一帯が「みなとオアシス対馬　比田勝」としてみなとオアシスに登録され、比田勝港国際ターミナルを代表施設として、観光拠点としての役割も担っています。

施設

比田勝港には、以下の施設があります。

ターミナルビル: 博多港への国内定期航路が発着します。
国際ターミナル: 釜山港への国際航路寄港時の出入国手続きに使用されます。
対馬海上保安部比田勝海上保安署：海上の安全を守るための機関です。
門司税関厳原税関支署比田勝出張所：税関業務を行う機関です。
福岡検疫所比田勝出張所：検疫業務を行う機関です。

航路

比田勝港には、国内航路と国際航路があります。

国内航路

九州郵船がフェリーを運航しています。長崎県本土の港湾との定期航路は2020年現在はありません。

フェリー「フェリーうみてらし」: 比田勝港と博多港（福岡市）を結んでいます。かつてはジェットフォイル「ヴィーナス」、「ヴィーナス2」も運航されていました。2021年（令和3年）7月には新造船「フェリーうみてらし」が就航し、これに伴いフェリー「げんかい」は引退しました。

国際航路

以下の航路で、比田勝港と釜山港を結ぶ航路があります。

大亜高速海運: 高速船「オーシャンフラワー」を運航しています。
対馬国際ライン: 不定期で「あおしお」を運航しています。
JR九州[[高速船]]: ジェットフォイル「ビートル」を運航しています。2018年（平成30年）7月23日より、九州郵船がビートルの一部座席を利用し、博多-比田勝航路に対馬混乗便を運航開始しました。
未来高速: ジェットフォイル「コビー」を運航しています。
韓日国際海運: オーロラを運航しています。

周辺

比田勝港周辺には、以下の施設や観光スポットがあります。

国道382号
対馬市役所 上対馬振興部（旧・上対馬地域活性化センター）
比田勝郵便局
十八親和銀行比田勝支店
上対馬病院
海上自衛隊上対馬警備所
対馬レンタカー
対馬大亜ホテル
東横イン対馬比田勝
対馬韓国展望所

関連項目

日本の港湾一覧#長崎県
厳原港
対馬空港

脚注

参照元データは以下の通りです。

『港湾統計（年報）』国土交通省、2016年。
角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 42 長崎県』1987年

外部リンク

* みなとオアシス対馬　比田勝

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