釜戸駅

釜戸駅：歴史と現状

はじめに

岐阜県瑞浪市釜戸町東大島にあるJR東海中央本線の釜戸駅は、1902年（明治35年）12月21日、多治見駅から中津川駅間が開通した際に開業しました。駅番号はCF15です。長い歴史を持つ同駅は、中央本線の歴史を語る上で重要な役割を担っています。本稿では、釜戸駅の開業から現在までの歴史、駅構造、利用状況、周辺環境について詳細に解説します。

歴史

釜戸駅は、1902年（明治35年）、官設鉄道の多治見～中津（現・中津川）間開通と同時に、当時の土岐郡余戸村に開業しました。当初は一般駅として発足しました。その後、1909年（明治42年）には中央西線、1911年（明治44年）には中央本線に所属線が変更されます。1921年（大正10年）の余戸村分村により、駅所在地は土岐郡釜戸村となります。1954年（昭和29年）には釜戸村が瑞浪市に合併され、現在に至ります。

貨物輸送は、1973年（昭和48年）に専用線発着を除く貨物の取扱いが廃止され、1984年（昭和59年）に完全に廃止されました。また、荷物の取扱いは1984年（昭和59年）2月1日に廃止されています。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化により、JR東海に移管されました。そして、2006年（平成18年）11月25日にはICカード『TOICA』の利用が可能となり、利便性が向上しました。

駅構造

釜戸駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。1番線と3番線が本線、2番線が副本線となっています。2016年3月時点では、深夜の上り普通列車が特急通過待ちのために2番線を使用していました。駅舎は開業当時からのものが構内東側にあり、1番線ホームに隣接しています。自動改札機はありませんが、簡易TOICA改札機が設置されています。駅舎は、中央本線の中でも最古級の駅舎として知られています。多治見駅の管理の下、簡易委託駅として運営されています。

かつては駅構内北側に住友セメント釜戸サービスステーションがあり、専用線が敷設されていました。また、名古屋方面からの当駅止まり普通列車も運行されていた時期がありました。

利用状況

釜戸駅の利用状況は年々減少傾向にあります。岐阜県統計書によると、一日平均乗車人員は、2007年度は417人でしたが、2018年度には283人に減少しました。これは、周辺地域の過疎化や自動車の普及などが影響していると考えられます。

駅周辺

釜戸駅は、釜戸の市街地の北東端に位置しています。駅周辺には、歴史的な観光スポットである中山道大湫宿や竜吟の滝、白狐温泉、釜戸温泉などの観光資源があります。また、瑞浪市役所釜戸コミュニティーセンター（釜戸公民館）、東濃信用金庫釜戸支店、瑞浪市立釜戸小学校などの公共施設や金融機関も近隣に立地しています。交通面では、国道19号や下街道、瑞浪市コミュニティバス（平和コーポレーション運行委託）が利用可能です。さらに、釜戸＝大湫線、釜戸＝平山線といった地域バス路線も整備されています。

隣の駅

まとめ

釜戸駅は、明治時代から続く歴史ある駅であり、中央本線の歴史を語る上で重要な位置を占めています。最古の駅舎が現存していることからも、その歴史を感じることができます。近年は利用客数の減少が課題となっていますが、周辺の観光資源や地域住民の生活を支える重要な拠点として、今後もその役割を果たしていくものと期待されます。駅舎の維持や利便性向上のための取り組みが継続されることを願います。

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