大湫宿

大湫宿（おおくてじゅく）

大湫宿は、中山道47番目の宿場として、美濃国土岐郡大湫村（現在の岐阜県瑞浪市大湫町）に位置していました。「湫」という字は沼地や湿地帯を意味し、その名の通り、峠に挟まれた水の溜まりやすい地形に由来します。

歴史

慶長9年（1604年）に新設された大湫宿は、尾張藩の領地でした。宿場は、皇女和宮親子内親王が宿泊した場所としても知られています。

宿場の様子（1843年）

当時の大湫宿は尾張藩領であり、以下の規模でした。

人口: 338人
家数: 66軒
本陣: 1軒
脇本陣: 1軒
旅籠: 30軒

アクセス

JR中央本線 釜戸駅から瑞浪市コミュニティバス（釜戸=大湫線）に乗車、「大湫」バス停で下車。

史跡・見どころ

大湫宿とその周辺には、歴史を感じさせる多くの史跡や見どころが点在しています。

皇女和宮歌碑：和宮が詠んだ歌を刻んだ石碑。
本陣跡：かつての本陣があった場所。現在は大湫小学校の跡地となっています（2005年に廃校）。
おもだか屋：古い面影を残す建物。
脇本陣保々家：脇本陣を務めた家の建物。
神明神社の大杉：樹齢1300年ともいわれる巨大な杉の木。
圓通閣：美濃瑞浪三十三霊場第四番札所である大湫観音堂にあり、絵天井は瑞浪市指定有形文化財となっています。
高札場跡：かつて法令などを掲示した高札場があった場所。
森川訓行家住宅：歴史的な建造物。

細久手宿までの史跡・見どころ

大湫宿から隣の細久手宿へ向かう道中にも、見逃せない史跡や自然が残されています。

二つ岩：特徴的な形の二つの岩。
琵琶峠：かつて琵琶の名手がいたという伝説が残る峠。
石畳：一部区間では石畳が復元されています。
八瀬沢一里塚：中山道の距離を示すために築かれた塚。
弁天池：美しい池。
奥之田一里塚：中山道の距離を示すために築かれた塚。

参考文献

児玉幸多 『中山道を歩く』中公文庫、1988年　ISBN 4122015561

隣の宿

中山道
大井宿 - 大湫宿 - 細久手宿

外部リンク

大湫町ホームページ

関連項目

中山道
宿場

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