釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇

映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』の概要

『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』は、2001年に公開された日本のコメディ映画で、釣りバカ日誌シリーズの第12作目にあたります。映画の副題に含まれる「史上最大の有給休暇」というタイトルが示す通り、本作では主人公である浜崎伝助（ハマちゃん）の年次有給休暇の取り扱いが物語の中心に位置しています。これにより、彼が休暇を取得できるのか、そしてその過程でどのような出来事が巻き起こるのかが描かれています。

ストーリーのあらすじ

物語の始まりでは、鈴木建設の釣り愛好会「鈴木建設フィッシング・クラブ」の高野常務が退職の意向を示します。高野は、長年夢見ていた釣り三昧の生活を実現するため、実家のある山口県萩市に戻る決意を固めたのです。この変化に驚いたハマちゃんとスーさん（釣り仲間の三國連太郎）は、彼の決断についてさまざまな感情を抱きます。

数日後、スーさんに山口への出張が決まり、ハマちゃんは有給休暇を使ってこの出張に同行することになります。すると、萩市で彼らが出会った高野の姪・梢（宮沢りえ）から、高野が治療を受けているという深刻なニュースを聞かされます。この情報は、ハマちゃんとスーさんの心に重くのしかかり、彼らの釣り旅は別の意味を持つことに。

キャストとスタッフ

この映画には多くの魅力的なキャストが揃っています。ハマちゃんを演じる西田敏行を筆頭に、浅田美代子（鈴木みち子）、青島幸男（高野常務）、宮沢りえ（木戸梢）など、多彩なキャラクターが物語を彩ります。

映画の監督は本木克英で、原作はやまさき十三が手掛けています。脚本には山田洋次と朝間義隆がクレジットされており、彼らの巧妙な筆致が作品に深みを与えています。

舞台とロケーション

映画の舞台は主に山口県内であり、実際の観光名所である萩城跡や松本川などが登場します。また、宇部市や吉敷郡の風景も豊富に取り入れられ、地域の魅力が堪能できる内容となっています。特に、釣りのシーンでは山口での自然美が印象的に表現されています。

エピソードと制作裏話

映画は松竹大船撮影所が閉鎖されたため、東映東京撮影所での撮影が行われました。この期間中、他の映画と同時に撮影が行われるという珍しい状況の中、監督の本木克英が高倉健に挨拶をする場面もあり、彼とのエピソードも興味深いものとなっています。

また、高野の死後の散骨のシーンなど、重厚なテーマも扱われており、単なるコメディとしての枠を超え、人生の意味や人間関係についても考えさせられる作品に仕上がっています。

最後に

『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』は、シンプルながらも深いテーマが織り込まれた心温まる作品です。涙あり、笑いありのこの映画は、観る人々に釣りの魅力と日本の風土、そして人間同士の絆の大切さを再認識させてくれます。

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