釧路運輸車両所

釧路運輸車両所：北海道の鉄道を支える車両基地

釧路運輸車両所は、北海道釧路市喜多町に位置するJR北海道の重要な拠点です。ここでは、車両の検査・修繕から運転士・車掌の育成まで、鉄道運行に関わる多岐にわたる業務が行われています。

概要

釧路運輸車両所は、旧釧路運輸所（釧路車掌所と釧路運転所が合併）と釧路車両所（工場部門）が統合して誕生しました。2004年3月には花咲線運輸営業所から運転業務が移管され、根室本線釧路 - 根室間、通称「花咲線」の運転業務を担っています。

車両部門

配置車両

主に釧網本線・根室本線で運用される気動車や、特急「おおぞら」系統で使用される気動車が配置されています。2024年4月1日現在、所属車両は以下の通りです。

蒸気機関車
C11形蒸気機関車：1両 (171号機、SL冬の湿原号用)
ディーゼル機関車
DE10形ディーゼル機関車：3両 (1660・1661・1690号機、「ノロッコ号」牽引用)
気動車
キハ261系気動車：27両（特急「おおぞら」用）
キハ54形気動車：14両（一部は「ルパン三世」ラッピングや「流氷物語」塗装）
キハ143形気動車：8両
H100形気動車：26両
客車
14系：4両（SL冬の湿原号用）
スハシ44形：1両（14系客車と編成）
510系客車：4両（トロッコ列車「くしろ湿原ノロッコ号」用）

過去の所属車両

キハ183系気動車
キハ283系気動車
キハ40形気動車
DE15形ディーゼル機関車
DMV形
ナハ29000形客車
スユニ50形客車
ハテ8001
ホキ800形貨車
ヨ3500形貨車

工場部門

車両の検査・修繕に加え、改造も行っています。鉄道車両に記入される記号は「KR」、「釧路運両」。国鉄時代から各種車両の製造、改造、整備、廃車解体を手がけ、北海道内では苗穂工場と並ぶ重要な車両製造拠点でした。海峡線用のオハ50系や札沼線用のキハ141系もここで改造され、気動車の検査修繕やキハ40形の特別延命工事も行われました。

運輸部門

車掌乗務範囲

普通列車：根室本線（新得 - 根室間）、釧網本線（東釧路 - 網走間）、函館本線（手稲 - 札幌間）
優等列車：特急「おおぞら」（札幌 - 釧路間）、特急「とかち」（札幌 - 帯広間）

運転士乗務範囲

根室本線：新得 - 根室間
釧網本線：東釧路 - 網走間

歴史

1901年：釧路機関庫として開設
1936年：釧路機関区に改称
1953年：現在地に移転
1986年：釧路運転区に統合
1987年：国鉄分割民営化によりJR北海道所属となる
* 1996年：釧路運輸所と統合し釧路運輸車両所発足

跡地

旧釧路工場跡地は、釧路地方合同庁舎、釧路市こども遊学館、日本銀行釧路支店、ジェイ・アール道東トラベルサービスの駐車場となっています。

まとめ

釧路運輸車両所は、北海道の鉄道輸送を支える重要な役割を担っています。配置されている多種多様な車両たちが、今日も道東の地を駆け抜けています。

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