鈴木たか

鈴木たか

鈴木たか（1883年7月4日 - 1971年9月23日）は、第42代内閣総理大臣である鈴木貫太郎の妻であり、皇孫御用掛を務めた人物です。北海道札幌市出身。

経歴

1883年（明治16年）7月4日、足立元太郎の長女として札幌市で生まれました。父の元太郎は札幌農学校（現・北海道大学）の2期生で、キリスト教徒（札幌バンド）でした。たか自身もクエーカー派のクリスチャンでした。

東京女子高等師範学校（現在のお茶の水女子大学）を卒業後、母校の幼稚園で保母として勤務しました。その後、菊池大麓東京帝国大学教授の推薦により、1905年（明治38年）から1915年（大正4年）までの間、皇孫御用掛として幼少期の迪宮（昭和天皇）、淳宮（秩父宮）、光宮（高松宮）の教育係を務めました。

皇孫御用掛を退いた後、内閣総理大臣となる鈴木貫太郎と結婚しました。貫太郎には以前トヨという妻がいましたが、1912年（大正元年）に亡くなっています。貫太郎は1929年（昭和4年）から1936年（昭和11年）まで侍従長を務めたため、たかは夫と共に昭和天皇に仕えることとなりました。たかはその後もたびたび宮城に招かれ、昭和天皇に謁見しています。

1936年（昭和11年）2月26日に発生した二・二六事件の際、貫太郎は反乱軍に襲撃されました。たかが医者の手配を宮中に電話で依頼したことがきっかけとなり、事件の発生が侍従から天皇に伝えられました。

昭和天皇は、侍従長時代、総理大臣時代の鈴木貫太郎に「たかは、どうしておるか」「たかのことは、母のように思っている」と声をかけています。このことからも、昭和天皇がたかを深く信頼していたことがうかがえます。

1971年（昭和46年）9月23日、88歳で亡くなりました。

登場する作品

鈴木たかは、その生涯や二・二六事件における行動が、小説や映画、漫画などの様々な作品で描かれています。

小説
『雪つもりし朝 二・二六の人々』（2017年） - 作：植松三十里
映画
『226』（1989年） - 演：八千草薫
『日本のいちばん長い日』（2015年） - 演：西山知佐
漫画
* 『昭和天皇物語』（2017年-） - 作画：能條純一、原作：半藤一利、脚本：永福一成、監修：志波秀宇

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