鈴木宗作

鈴木宗作：激動の時代を駆け抜けた陸軍軍人

鈴木宗作（すずき そうさく）は、1891年（明治24年）に愛知県で生まれ、1945年（昭和20年）にフィリピンで戦死した日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍大将。

生い立ちと初期の軍歴

鈴木は、医師の次男として生を受け、愛知県明倫中学校を経て陸軍士官学校に進みました。1912年（明治45年）には陸軍士官学校を734名中3番の成績で卒業、歩兵科ではトップの成績を収めました。卒業後は歩兵少尉に任官し、名古屋の歩兵第6連隊に配属されました。その後、順調に昇進を重ね、1919年（大正8年）には陸軍大学校を首席で卒業、軍刀組の一員となりました。

エリート軍人としての活躍

陸軍大学校卒業後、鈴木は参謀本部勤務となり、エリート軍人としての道を歩み始めます。1923年（大正12年）頃には、陸軍省軍務局に在籍し、ドイツに駐在するなど、国際的な視野も養いました。その後、陸軍技術本部や陸軍省軍務局で要職を歴任し、1935年（昭和10年）には歩兵大佐、歩兵第4連隊長に就任しました。1938年（昭和13年）には少将に昇進、中支那派遣軍参謀副長として中国戦線に従事しました。さらに、支那派遣軍総参謀副長、参謀本部第3部長などの要職を歴任し、1941年（昭和16年）には中将に進級しました。

太平洋戦争と最期

太平洋戦争開戦時には、第25軍参謀長としてマレー作戦やシンガポールの戦いに参加。占領後のシンガポール華僑粛清事件に関与したとされています。その後、陸軍兵器本廠附、陸軍運輸部長、兼船舶司令官などを務め、1944年（昭和19年）には第35軍司令官としてフィリピン戦線に赴任しました。1945年（昭和20年）4月19日、フィリピン・ミンダナオ島沖で戦死。没後、陸軍大将に進級しました。

栄典と評価

鈴木は、その功績により、勲一等瑞宝章、勲一等旭日大綬章などを受章しました。また、満州帝国からも建国神廟創建記念章を授与されています。鈴木は、陸軍大学校を首席で卒業するなど、非常に優秀な軍人でしたが、太平洋戦争という激動の時代の中で、その生涯を終えました。

年譜

1891年（明治24年）9月27日：愛知県にて誕生
1912年（明治45年）5月28日：陸軍士官学校卒業（24期）、歩兵少尉に任官
1919年（大正8年）11月26日：陸軍大学校卒業、参謀本部附勤務
1927年（昭和2年）7月26日：歩兵少佐に昇進
1935年（昭和10年）8月1日：歩兵大佐、歩兵第4連隊長に就任
1938年（昭和13年）7月15日：少将に昇進、中支那派遣軍参謀副長
1941年（昭和16年）3月1日：中将に昇進
1941年（昭和16年）11月6日：第25軍参謀長
1944年（昭和19年）7月28日：第35軍司令官
1945年（昭和20年）4月19日：フィリピンで戦死
1945年（昭和20年）6月14日：大将に進級

参考文献

福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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