鈴木實治郎

鈴木實治郎（すずき じつじろう）

鈴木 實治郎（すずき じつじろう、1913年11月29日 - 1994年4月9日）は、日本の官僚、実業家です。旧姓は中西。逓信省（後の郵政省、現在の総務省）でのキャリアを経て、鈴木自動車工業株式会社（現スズキ株式会社）の第3代社長、第2代会長などを務めました。

生い立ちと官僚時代

1913年、鈴木實治郎は静岡県志太郡で生まれました。浜松高等工業学校を卒業後、1934年に逓信省に入省。日本発送電に関する業務などに携わりました。この頃、実業家・鈴木道雄の三女との縁談が持ち上がり、1940年に結婚。これを機に、鈴木道雄が経営する鈴木式織機株式会社に入社することとなります。官僚としてのキャリアを捨て、実業界に身を投じるという大きな転換期を迎えました。

実業家としての活躍

1954年、鈴木式織機は鈴木自動車工業株式会社へと改組されましたが、鈴木實治郎は引き続き勤務。1957年2月には、義父である鈴木道雄が社長を退任し、相談役となります。後任には、道雄の養嗣子であり、實治郎の妻の義兄にあたる鈴木俊三が就任し、實治郎は俊三を支える役割を担いました。

1973年5月、鈴木俊三が社長を退任し初代会長に就任。その後任として、鈴木實治郎は第3代社長に就任しました。1978年6月には社長を退任し、第2代会長に就任。後任の社長には、妻の義理の甥であり俊三の養嗣子である鈴木修が就任しました。1983年6月、会長を退任するとともに、取締役も辞任しました。

鈴木實治郎は、鈴木自動車工業の発展に大きく貢献しました。社長、会長として会社を牽引しただけでなく、創業家である鈴木家の一員として、その経営を支えました。

家族と親族

鈴木家は、スズキの創業家として知られています。鈴木實治郎の義父である鈴木道雄は、鈴木式織機製作所を創業し、その後の鈴木式織機、鈴木自動車工業の設立に大きく貢献しました。

鈴木實治郎は、鈴木道雄の三女と結婚し、鈴木自動車工業の第3代社長を務めました。また、鈴木自動車工業の第2代社長を務めた鈴木俊三は、道雄の長女と結婚しており、實治郎の義姉の夫にあたります。さらに、鈴木自動車工業の第4代社長、スズキの初代社長を務めた鈴木修は、俊三の長女と結婚しており、實治郎の義姪の夫にあたります。このように、鈴木家は親族間で密接な関係を築きながら、スズキの発展に尽力してきました。

死去

1994年、鈴木實治郎は脳梗塞のため死去しました。享年80歳でした。

略歴

1913年 - 静岡県志太郡にて誕生。
1934年 - 浜松高等工業学校卒業。
1940年 - 鈴木式織機入社。
1954年 - 鈴木式織機が鈴木自動車工業に改組。
1973年 - 鈴木自動車工業社長に就任。
1974年 - 藍綬褒章受章。
1978年 - 鈴木自動車工業会長に就任。
1984年 - 勲二等瑞宝章受章。
* 1994年 - 死去。

脚注

鈴木實治郎は、その生涯を通じて、日本の産業発展に大きく貢献しました。官僚から実業家への転身、そして鈴木自動車工業の発展を支えたその功績は、後世に語り継がれるでしょう。

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