鈴木弼美

鈴木弼美の生涯

鈴木弼美（すずき すけよし）は1899年11月21日に、山梨県北都留郡七保村で生まれました。彼は、甲斐絹問屋を営む鈴木治作の次男として、800年以上の歴史を持つ家庭に育ちました。

教育の道を歩む

1920年に東京帝国大学理学部物理学科に入学し、学問に励みました。特に、1924年の聖書研究会に参加したことは、彼の人生における重要な転機となります。その後、内村鑑三の指導を受け、神に仕える道を選びます。

1926年に東京帝大を卒業後は、近江兄弟社の事業に携わりながら、志願兵として軍に入隊しました。この時期も彼は、教育の重要性を忘れず、東京帝大の助手としての職に就くなど、学問を大切にしていました。

小国伝道時代

1931年に政池ひろと結婚し、翌年には教育に専念するため大学を退職します。1933年、彼は小国郷津川村に移住し、翌年には基督教独立学校を設立しました。初代校長として、生徒たちと共に教育の道を歩みました。

軍隊での苦難

日中戦争が勃発した際、鈴木は技術将校として召集され、立川航空工廠で働くことになります。この影響により、独立学園は一時休校となりました。1941年には再び教育の現場に戻りますが、戦争中の思想表明が原因で逮捕されるという辛い経験をしました。1945年には釈放され、教育の道に戻ることができました。

学校再建と教育活動

1948年には基督教独立学園高等学校の創立式を迎えますが、当初は文部省からの認可が得られませんでした。しかし、地元の協力を得て、翌年には新制高等学校として認可されます。鈴木は晩年まで教壇に立ち続け、彼の経歴は多くの学生に影響を与えました。

社会的活動と著作

鈴木は平和活動にも力を入れ、自ら「友和会」の理事長を務め、憲法違反の防衛費に関して国を相手に訴訟を起こすなど、社会問題にも関与しました。1988年には校長の座を後進に譲り、名誉校長として教育の道を続けました。

晩年と死去

1990年5月26日、膵臓がんのため90歳で逝去。彼の死は多くの人々に衝撃を与え、告別式はテレビで報道されるなどしました。鈴木弼美の生涯は、教育と信仰を基盤とし、多くの若者に影響を与え続けました。

著作

• - 単著: 『真理と信仰』キリスト教図書出版社（1979年）
• - 共著:『科学の本質と信仰』（1939年）、『科学とキリスト教』（1949年）

鈴木としての信念や教育に対する情熱は、彼の著作を通じても広まりました。これらの著作は、彼の思想と信仰が色濃く表現されています。

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