鈴木照雄

鈴木 照雄（すずき てるお）

長野県阿智村に1946年9月5日生まれ。プロ野球選手として内野手、外野手で活躍し、引退後はスカウトとして球界に貢献した。

アマチュア時代は、塚原学園天竜高等学校を経て大東文化大学に進学。大学時代は首都大学野球リーグに所属し、1966年秋季リーグではチームの最高順位となる2位に貢献した。翌1967年秋季リーグでは遊撃手としてベストナインに選ばれるなど、内野守備で高い評価を得た。大学を中途退学後、社会人野球の強豪である河合楽器に入社。1969年から3年連続で都市対抗野球大会の舞台に立つなど、中心選手として活躍した。

1971年のプロ野球ドラフト会議において、阪神タイガースから11位指名を受け入団。同期入団の鈴木弘（ロッテオリオンズ）とともに、大東文化大学出身者として初めてプロ野球選手となった。阪神での4年間（1972年-1975年、背番号は45）は、一軍での出場機会に恵まれず、わずか1試合の出場にとどまった。

転機が訪れたのは1975年オフ。片岡新之介、加藤博一との交換トレードで、五月女豊とともに太平洋クラブライオンズへ移籍した。ライオンズ移籍後（1976年-1978年、背番号は23）、1976年には主に代走や外野の守備固めとして53試合に出場し、出場機会を大幅に増やした。この年の4月6日にはプロ初盗塁を記録している。1977年シーズン途中に球団名がクラウンライターライオンズに変更された後もチームに帯同。同年9月23日には「2番・二塁手」としてプロ初の先発出場を果たしたが、安打は生まれなかった。1978年には三塁手としても7試合に先発出場するなど、複数のポジションをこなせるユーティリティプレイヤーとして起用されたが、打撃面で結果を残すことが難しく、同年限りで現役を引退した。現役最終年となった1978年は、球団が西武鉄道に身売りされる節目の年であった。

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、鈴木氏は後身である西武ライオンズの球団職員となり、スカウトとして新たな道を歩み始めた。担当地域は主に球団の準本拠地である関西と、自身の故郷を含む北信越の一部であった。初めて担当した選手は、奇しくも社会人野球時代の後輩である大石友好であった。スカウトとして並外れた手腕を発揮し、西武ライオンズの黄金期やその後のチームを支えることになる多くの有力選手を発掘した。彼が担当した選手の中には、清原和博、垣内哲也、和田一浩、松井稼頭央、中島裕之、中村剛也、栗山巧、炭谷銀朗といった球界を代表する名が連なる。これらの選手たちの活躍は、鈴木氏のスカウトとしての貢献がいかに大きかったかを物語っている。

2006年オフに西武ライオンズを退団。その後は兵庫県で少年野球チーム「神戸甲南ボーイズ」の監督を務めたが、西武球団の不正スカウト問題に関連し、一時的に活動を自粛した期間もあった。

鈴木照雄氏の野球人生は、選手としての一軍での短いキャリアとは対照的に、スカウトとして球界、特に西武ライオンズに多大な功績を残した点で特筆される。多くの才能を見出し、プロの舞台へと送り出したその功績は、今なお語り継がれている。

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