鈴木美重子

鈴木 美重子

日本の女子プロゴルファー、鈴木美重子（すずき みえこ）は、1953年2月8日に東京都新宿区で生を受けた。精華学園高等学校を卒業後、18歳でゴルフの世界に足を踏み入れた。彼女がゴルフを始めるきっかけの一つには、父親がゴルフ練習場を経営していたという家庭環境があった。

プロゴルファーとしての道のり

1974年にプロテストに見事合格し、翌1975年に日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の会員となった。プロデビューイヤーの1975年は、日本女子オープンゴルフ選手権競技で14位タイに入るなど存在感を示し、賞金ランキングで20位をマークした。ツアー競技外でも、ミズノプロ新人戦や全日本ミックスダブルスで優勝するなど、その実力を示し始めた。

1976年には大雪山女子オープンで2位タイ、日本女子オープンで3位タイと公式戦でも上位に進出し、賞金ランキングも12位に浮上。1977年はミヤギテレビ杯女子オープンゴルフトーナメントで5位タイが最高成績だったが、1978年と1979年には日本女子オープンで再び3位タイに入るなど安定した成績を維持し、賞金ランキングでは自身最高となる11位に2度ランクインした。

記憶に残る公式戦での初優勝

彼女のキャリアにおける最大のハイライトは、1981年の日本女子プロゴルフ選手権での優勝だろう。この大会では、優勝候補と目されていた岡本綾子が予選落ちするという波乱があった。鈴木は最終日を、首位と4打差の5位タイでスタート。終盤、驚異的な追い上げを見せ、連続バーディーや、15番パー3（120メートル）でのホールインワンを達成するなどして、一時は単独首位に立った。しかし、16番と17番で連続ボギーを叩き、通算3アンダーでホールアウト。このスコアに他の3選手も並び、最終的には鈴木、小林洋子、涂阿玉、大迫たつ子の4名によるプレーオフにもつれ込んだ。

緊迫したプレーオフの1ホール目、大迫がOB、小林と涂もボギーを叩く中で、鈴木は冷静にパーをセーブ。このプレーオフを制し、劇的な形でツアー初優勝を公式戦で飾った。この勝利は、彼女のゴルフ人生において忘れられない一ページとなった。この年の賞金ランキングは12位だった。

キャリア後半と安定期

1982年以降も、1988年まで安定した成績を残し、賞金ランキングで常に50位以内をキープした。特に1987年には、当時の自己最高獲得額となる1,841万円余りの賞金を稼いだ。ツアー優勝は公式戦での1勝のみだが、1985年にはツアー外競技の帝産クリナップビューティーズでも優勝している。

競技引退後の貢献

競技生活から退いた1989年以降、鈴木美重子は日本女子プロゴルフ協会の運営に深く関わるようになった。理事としてトーナメント部門などを担当したのを皮切りに、広報委員長、副会長、そして専務理事といった協会の要職を歴任した。長年にわたり協会の運営に尽力し、女子プロゴルフの発展と普及に大きく貢献した。

人物像と逸話

身長163cm、血液型はAB型。学生時代には陸上競技の経験もあるアクティブな一面を持つ。車好きとしても知られており、1981年の日本女子プロ優勝時には、優勝賞金（250万円）を大きく上回る550万円相当のイギリス製高級車が副賞として贈られたという逸話がある。また、当時の女子プロゴルファーは白いポロシャツに紺のパンツといった比較的シンプルなスタイルが主流だった中で、彼女はメイクやマニキュア、ピアスといった、より都会的でファッショナブルなスタイルをいち早く取り入れた人物としても知られている。

受賞

長年にわたるゴルフ界への貢献が評価され、2018年には日本プロスポーツ大賞功労賞を受賞している。

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