鈴鹿トンネル

鈴鹿トンネルの概要

鈴鹿トンネルは、新名神高速道路及び国道1号のトンネルであり、三重県亀山市と滋賀県甲賀市の県境に位置します。トンネルは鈴鹿峠にあり、上り線の長さは4,005メートル、下り線は3,959メートルです。2017年12月までは新名神高速道路の最長トンネルでしたが、現在は箕面トンネルがその座を得ています。このトンネルの開通によって、荒天時における国道1号鈴鹿峠の通行止めによる交通の停止が解消され、両県間の交通が大いに改善されました。

建設とデザインの特徴

新名神高速道路の多くは、建設コスト削減のために暫定的な4車線で開通していますが、鈴鹿トンネル区間（亀山西JCTから甲賀土山IC間）では、当初計画通りの3車線を維持しています。このように設計された理由は、将来的に6車線へ改修する際に大規模な工事が必要となるため、最初から広めに施工されています。

三重県側の錐ヶ瀧橋からトンネルにかけては、約5kmにわたる緩やかな直線が続いており、そのデザインは新名神高速道路の中でも非常にユニークです。トンネルの高さは西側313メートル、東側234メートルで、79メートルの高低差が生じており、走行中のスピード感が狂いやすいため、運転者は注意が必要です。

設備と照明

鈴鹿トンネルは、通常の3車線トンネルよりも広く掘削されており、その断面積は名神高速道路の一般的なトンネルの約2.5倍で、約200平方メートルです。また、全幅員は15メートルに達し、広々とした構造となっています。そのため、照明器具の設置数が多くなることから、大光量かつ高効率の照明が開発され、コスト削減と安全性の向上を図っています。

TBM掘進-先進工法

鈴鹿トンネルの建設には、トンネルボーリングマシン（TBM）が使用され、導坑を掘削後にNATM工法で拡幅されるという先進的な方法が採用されました。TBMは直径5メートル、長さ13.2メートル、重さ約123トンのもので、効率的な施工が行われました。下り線工事では最大月進769メートルを達成し、上り線では885.6メートルという国内記録が更新されました。

歴史と事故

鈴鹿トンネルは、2000年に下り線が貫通し、2004年には上り線も貫通。2008年に亀山JCTから草津田上ICにかけて供用が開始されました。しかし、トンネル内では歴史的な火災事故も発生しました。1967年の事故では13台の貨物車両が炎上し、これを機に日本のトンネルの防災計画が見直されました。

まとめ

鈴鹿トンネルは、その長大な構造と先進的な技術により、三重県と滋賀県を結ぶ重要な交通路となっています。運転者への注意喚起や、安全性の高い照明設置は、今後の交通安全に寄与する重要な要素となるでしょう。

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