鉄工技能士

鉄工技能士について

鉄工技能士とは、鉄工に関する専門的な技術と知識を認定する国家資格の一つです。この資格は、都道府県職業能力開発協会によって実施される技能検定制度に基づき、鉄工に関連する学科及び実技試験に合格した者に与えられます。鉄工技能士は「名称独占資格」であり、その資格を持たない者が鉄工技能士として名乗ることは法律で禁じられています。

資格の概要

鉄工技能士の資格は、鉄工作業に必要な技能を認定するもので、具体的には4つの分野に分かれています。これらは、1.製缶作業、2.構造物鉄工作業、3.曲げ成形・矯正作業、4.構造物現図作業です。

資格には2つの等級があり、1級は上級技能者、2級は中級技能者に該当します。職業能力開発促進法により、1級合格者は職業訓練指導員に必要な実技試験や学科試験の免除を受けることができます。2級合格者も同様に実技試験が免除されます。

実技作業試験内容

鉄工（製缶作業）

1級

• - 展開図作成作業：薄鋼板に簡単な立体の展開図を描く。この作業には1時間が設定されています。
• - 製品製作作業：ハンマーやゲージ、曲げ台を用いて平鋼をリング状に加工し、ガス切断された鋼板を組立図に従って組み立て、仮付け溶接を行います。試験時間は1時間45分です。

2級

• - 展開図作成作業：1級と同様に、薄鋼板に立体の展開図を描きます。
• - 製品製作作業：指定された平鋼を使用してリング状に加工し、簡単なすみ肉溶接を行います。試験全体の合計時間は1時間25分です。

鉄工（構造物鉄工作業）

1級

• - 図面に基づいて切断、穴あけ、焼曲げ、組立て、溶接などを行い、等辺山形鋼と鋼板を用いて複雑な構造物を製作します。試験時間は4時間30分です。

2級

• - 1級と同様に作業を行いますが、製作する構造物は簡単なものとなっています。試験時間は4時間です。

鉄工（曲げ成形・矯正作業）

• - 1級および2級の試験内容は具体的に記載されていませんが、曲げ成形や矯正技術に関する能力が問われます。

鉄工（構造物現図作業）

1級

• - 複雑な鉄骨構造物の組立図に基づいて現尺の現図を描き、型板や部品表を作成します。試験時間は4時間です。

2級

• - 基本的に1級の作業と同様の内容ですが、扱う構造物はやや簡素なものになります。試験は4時間で行われます。

結論

鉄工技能士は、鉄工業界において高い技術力を表す重要な資格です。技術の向上や専門性の証明として、鉄工技能士を取得することは、今後のキャリアにおいて大いに役立つでしょう。

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