鉄道ジャーナル

鉄道ジャーナルの概要

『鉄道ジャーナル』は、東京都千代田区に本社を置く株式会社鉄道ジャーナル社が編纂し、成美堂出版が発売する日本の月刊鉄道専門誌です。1967年に創刊されて以来、当誌は鉄道に関するさまざまな情報を提供してきました。

編集方針

この雑誌は、従来の鉄道雑誌が趣味的な視点から鉄道を取り上げることが多い中で、「鉄道の将来を考える専門情報誌」として、社会、経済、政策など広範な視点から鉄道を探求しています。特に「列車追跡シリーズ」として展開される乗車レポート記事は読者に好評で、現実の交通実態を詳細に描写しています。また、鉄道に限らず、航空機やバスといった他の公共交通機関に関する記事も積極的に掲載し、公共交通全体に関する視点を広げる努力をしています。

ただし、読者からの要望が高い撮影地紹介や臨時列車のダイヤなどの情報はあえて掲載しないという方針を取っています。これは、鉄道ファンの過熱した撮影欲求を和らげ、真に「鉄道を考える」ことに重きを置くための編集方針に基づいています。

歴史

創刊から1990年代まで

1967年、創刊号の表紙には国鉄EF90形電気機関車と長野電鉄0系電車が描かれました。当初は季刊誌として発行されていましたが、同年の3号から月刊化されました。創刊当時から多くの大学や高校の鉄道研究部が関与し、鉄道に対する情熱をもとに様々な情報を発信してきました。

1970年代初期のSLブームの時期には、特急列車やブルートレインを早くから取り上げ、読者の支持を集めました。しかし、1970年代後半からは航空機の進展やモータリゼーションの影響で鉄道利用者が減少していきました。これに対処するため、1980年の1月号では「鉄道は航空機と共存できるか」という特集が組まれ、交通体系の多様性について考察されました。

また、1980年代にはバスに関する情報も取り上げ始め、「Bus Corner」の連載を開始し、バス趣味に関する情報源としても重宝されました。さらに、この時期には国鉄分割民営化や中国の鉄道に関するツアーが話題になりました。

2000年代以降

2000年代に入ると、鉄道雑誌としての趣味中心のトーンが増し、一部の論調や編集方針に対する変化が見られました。歴史的見解の違いから社内での騒動も発生しましたが、海外の鉄道関係の記事に力を入れることで新たな試みも模索しています。その一環として、プラハ発の欧州鉄道通信やドイツを特集した記事を掲載しています。

鉄道ジャーナル社の概要

鉄道ジャーナル社は1965年に設立され、初めは鉄道映像の記録を目的としていましたが、1970年に社名を『鉄道ジャーナル社』に変更して、同名の雑誌の編纂・発行を続けています。

その後、販売業務は2010年から成美堂出版へ移管され、同社の傘下となりました。現在、鉄道ジャーナルは広範な公共交通に関する知識を提供する重要な媒体として、多くの読者に親しまれています。

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