鉄道車両製造・整備技能士

鉄道車両製造・整備技能士

鉄道車両製造・整備技能士（てつどうしゃりょうせいぞう・せいびぎのうし）は、国家資格として認定された技能検定制度の一環で、鉄道車両の製造と整備に関する専門的な技能を証明する資格です。この資格は、都道府県職業能力開発協会が管轄し、試験内容は学科と実技の両方から構成されています。

資格の概要

この資格は主に、鉄道車両の製造および整備に必要な技術と知識を評価するもので、取得者には「機器ぎ装作業」、「内部ぎ装作業」、「配管ぎ装作業」、「電気ぎ装作業」、「鉄道車両現図作業」、「走行装置整備作業」、「原動機整備作業」、「鉄道車両点検・調整」といった各分野に分かれた試験が行われます。技能レベルによって1級と2級があり、1級は上級技能者、2級は中級技能者としての位置づけがされているのです。

さらに、職業能力開発促進法に従い、この資格を持たない者が名乗ることは禁じられています。特に1級合格者は職業訓練指導員としての実技と学科試験が免除され、2級合格者は実技試験が免除される特典もあります。

実技作業試験の内容

1. 機器ぎ装作業

• - 1級：SS400材を用い、平面研削や穴あけ、ねじ切り等の加工を行い、カップリングで連結された2軸の心合わせを試みます。試験時間は4時間。
• - 2級：同様の作業ですが、試験時間は3時間30分です。

2. 内部ぎ装作業

• - 1級：ドリルやタップを使い、化粧板を組み合わせ、点検ふたを製作。試験時間は4時間30分。
• - 2級：点検ふたの製作で、試験時間は3時間です。

3. 配管ぎ装作業

• - 1級：炭素鋼鋼管を用い、複雑な配管系統を製作します。試験時間は3時間30分。
• - 2級：より簡易な配管系統を製作し、試験時間は2時間30分です。

4. 電気ぎ装作業

• - 1級：乗務員室の電気配線を行い、ペーパーテストも実施。試験時間は合計で2時間50分と2時間。
• - 2級：同様の作業で、試験時間は2時間50分です。

5. 鉄道車両現図作業

• - 1級：立体図と展開図の作成、材料取りを行います。試験は5時間20分。
• - 2級：較易な課題で、試験は5時間にわたります。

6. 走行装置整備作業

• - 1級：ボルト検査や円筒ころ軸箱の組立を行い、試験は2時間5分。
• - 2級：ボルトの締付けなどを行い、試験時間は50分です。

7. 原動機整備作業

• - 1級：連接棒の組立や調時歯車室の調整作業を行う試験。試験時間は2時間20分。
• - 2級：同様の内容で試験時間は2時間20分です。

8. 鉄道車両点検・調整作業

• - 1級・2級：点検・調整及び測定を行い、試験時間は両者同じく2時間50分です。

結論

鉄道車両製造・整備技能士の資格は、鉄道業界において非常に重要な位置を占めています。その技能が求められる場を通じて、鉄道車両の安全性や効率を左右するため、この資格を取得することは専門家としてのキャリアを築く上で大いに価値があると言えるでしょう。

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