鉄鋼闘機ガイラ

『鉄鋼闘機ガイラ』は、上山道郎氏による漫画作品で、『月刊コロコロコミック』にて1996年に連載されました。小学館てんとう虫コミックスから全2巻が刊行されています。

物語の舞台は2036年の近未来。全高6メートルを超える有人ロボット「デュエルギア」による格闘技「ストライキング」が世界的な人気を博しています。その頂点に君臨する絶対王者カイザーと、彼の駆るデュエルギア「ジークフリート」を倒すべく、新たな戦士が立ち上がります。その名はコウ。ハンスが設計した「ガイラ」を駆り、チーム“紅緋竜”（クリムゾンドラゴン）としてリーグ戦に挑みます。

コウとハンスには、カイザーを倒さなければならない深い理由がありました。かつて傭兵であったカイザーは、コウとハンスの両親が勤務していた野戦病院をミサイル攻撃で破壊し、命を奪った張本人だったのです。

復讐を誓う二人は、カイザーへの挑戦権を賭けたオープンリーグ戦「女神杯」に出場します。しかし、彼らの前に立ち塞がったのは、強敵・十六夜陣と、彼の操るデュエルギア“暗黒の怪鳥”「鴉」でした。激闘の末、コウ達は十六夜陣との戦いを制しますが、連載はここで終了し、カイザーとの決着は描かれないままとなりました。

主要登場人物

早乙女 紅（さおとめ こう）: 16歳。「ガイラ」のストライカー（操縦者）であり、羅漢金剛拳の使い手。両親は報道カメラマンでしたが、10年前に赤十字キャンプ攻撃で死亡しています。
正樹・ハンス・竜童寺（まさき・はんす・りゅうどうじ）: 16歳。「ガイラ」の設計者でチーム“紅緋竜”の監督。竜童寺財閥の後継者でもあります。14歳で大学を卒業している天才です。両親は国際赤十字の医師でしたが、10年前に赤十字キャンプ攻撃で死亡しました。
サイモン・ジェイムスン: チーム“紅緋竜”のチーフメカニック。サイボーグです。
ターキー・多々見（たーきー・ただみ）: チーム“M・O・C”のストライカー。コウのデビュー戦の対戦相手。マイクパフォーマンスが得意です。
石野大丸（いしの だいまる）:チーム“M・O・C”の監督。
ライユー・マン: 世界ランキング2位のストライカー。勝率は9割以上を誇ります。
アイルトン・ジーニョ: ライユー・マンのチームの監督。元ストライカーで、かつてはカイザーの前の王者でした。「超音速拳（ハイパーソニックナックル）・カマンダス」というデュエルギアを使っていました。
掌 鈴閃（チャン リンシャン）: チーム“上海闘技団”所属。白虎のストライカー。八卦掌の使い手です。
ジュン・ファン: チーム“上海闘技団”の監督。
十六夜陣（いざよい じん）: チーム“朧”所属。「鴉」のストライカー。十六夜流忍術の使い手です。
キャシー・ウォズニアック: ハンスの大学時代の友人。「ガイラ」の運動制御プログラムの開発者。ロボット犬「アーカイブ」と行動を共にします。
ソンディー・ラタナコン:ストライカー。元世界ムエタイウェルター級チャンピオン。
ジークムント・カイザー: ストライキングの世界リーグ王者。240戦無敗を誇ります。コウとハンスの両親を殺害した張本人。元傭兵で、10年前に赤十字キャンプをミサイル攻撃しました。

主要メカニック

鎧羅（ガイラ）: コウが操縦するデュエルギア。二つ名は“炎の鬼神”。全高6.83m、重量7.26t。竜童寺重工が開発した最新鋭機です。
白虎（パイフー）: 掌鈴閃が操縦するデュエルギア。二つ名は“上海の霊獣”。
鴉（からす）: 十六夜陣が操縦するデュエルギア。二つ名は“暗黒の怪鳥”。重力遮断フィールド発生装置を搭載し、高い機動力を誇ります。
ジークフリート: カイザーが操縦するデュエルギア。聖剣「ノートゥング」を使用します。
タイタンII: 軍用の無人戦術機（コマンドギア）。
グルーバー: ターキー・多々見のデュエルギア。全高10.1m、重量26.4t。
バイロン: ライユー・マンのデュエルギア。超音速の拳「パイルスマッシュ」を得意とします。
ギャラクシー: ソンディー・ラタナコンのデュエルギア。二つ名は“褐色の豹”。
サラスヴァティー、ラクシュミィ、ガンガー: ストライキングの審判を行うコンピューター端末。それぞれ「美と幸福の女神」、「愛と創造の女神」、「知恵と母性の女神」を司り、試合進行、判定、機体やチームの審査、認定などを統括します。審判の女神が乗る台座は攻撃を防ぐ音波防壁（ソニックバリア）や、電撃を放つ神罰雷（パニッシャー）を発生させることができます。

『鉄鋼闘機ガイラ』は、巨大ロボットによる格闘技という熱い設定に加え、主人公たちの復讐劇というドラマチックな展開が魅力的な作品です。未完のまま終わってしまったことが悔やまれる作品でもあります。1400文字程度。

もう一度検索