銀座旋風児 目撃者は彼奴だ

銀座旋風児 目撃者は彼奴だ

1960年（昭和35年）3月26日に封切られた『銀座旋風児 目撃者は彼奴だ』は、日活が製作した日本の劇場用映画です。監督は野口博志が手掛け、主演には当時の人気スターであった小林旭が迎えられました。本作は、彼の代表的なシリーズの一つである「銀座旋風児シリーズ」の第三作目に位置づけられています。

概要

物語は、ある経済団体の元会長殺害事件を発端とします。この難事件の捜査にあたっていた刑事が、何者かによって殺害されるという衝撃的な展開を迎えます。さらに、事件の重要な目撃者となった人物が、ある物理的な証拠のために事件の犯人であるかのように仕立て上げられ、窮地に追い込まれます。

ここに登場するのが、主人公である二階堂卓也です。彼は、目撃者が真犯人ではないと確信し、その無実を証明するために独自に事件の真相を追い始めます。卓也は、巧妙に仕組まれた罠や、事件の背後に潜む巨悪に立ち向かい、真実を白日の下に晒すべく奔走します。シリーズの特徴であるクールなアクションとサスペンスが見事に融合し、観客を惹きつけます。

キャスト

本作を彩る個性豊かなキャスト陣には、主演の小林旭が二階堂卓也を演じるほか、浅丘ルリ子が村越明子として名を連ねています。また、青山恭二が荒木浩司役、白木マリ（白木万理）が錦弥として出演。情報屋の秀を小沢昭一が演じ、物語に深みを与えています。その他、二本柳寛、相馬千恵子、楠侑子、内田良平、沢井杏介ら実力派俳優が脇を固めており、彼らが織りなす人間模様も物語の重要な要素となっています。

さらに、天路圭子、雨宮節子、島村葉子、浜村純、松本染升、小泉郁之助、花村典克（花村彰則）、二階堂郁夫、雪丘恵介、川辺健三、二木草之助、緑川宏、宮崎準、近江大介、本目雅昭、速水脩二、今川英二、荒井昭一、志方稔、田中滋、荒木良平、三笠謙（池沢竜）、高田栄子、久木登紀子（香取環）、加代あけ美、家根谷美代子（水城英子）、花柳礼奈、斉藤倫子、柳田妙子といった多数の俳優陣が参加しており、作品の世界観を豊かにしています。

ノンクレジットながら出演したキャストも多く、喫茶店の店員役の露木護、野原の部下役の玉井謙介や式田賢一、タクシー運転手役の里実（大門実）、サンドイッチマン役の蒲生晃治、靴磨き屋役の上釜孝允、映画館の客役の糸賀靖雄、秀とすれ違う女役の佐川明子や本間節子、料亭の芸者役の朝香奈緒美や坂巻祥子、料亭の宴席の客役の神山勝や島村謙二（島村謙次）、看護婦役の横田陽子（横田楊子）、鑑識課員役の小柴隆（小柴尋詩）らが、作品のリアリティを高めています。

スタッフ

本作の製作には、多才なスタッフが集結しました。監督を務めた野口博志は、スタイリッシュな演出で知られています。脚本は織田清司が手掛け、複雑なサスペンスドラマを構築しました。企画は茂木了次が担当。原作は「週刊スリラー」に連載されていた川内康範の作品に基づいています。そして、映画のムードを決定づける音楽を手掛けたのは山本直純です。また、迫力あるアクションシーンを創り出した技斗は高瀬将敏が担当しました。これらの優れたスタッフワークが、本作のクオリティを支えています。

『銀座旋風児 目撃者は彼奴だ』は、冤罪に苦しむ人々を救うべく悪に挑む主人公の姿を通して、正義とは何かを問いかける作品であり、日活アクションの黄金期を代表する一本と言えるでしょう。

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