鋤簾

鋤簾（じょれん）

鋤簾（じょれん）は、水を含んだ砂や泥の除去、またはそこに生息する魚介類を捕獲するために使用される道具です。農業、漁業、建築、発掘調査など、幅広い分野で活用されています。

農具としての鋤簾

農具としては、主に水が溜まった水路などから泥や砂を取り除く際に用いられます。形状は鍬に似ていますが、刃先の後ろに湾曲や縁取りが施されている点が特徴です。これにより、泥や砂をすくい上げやすくなっています。また、引き上げた際に水分が適切に除去されるよう、板状の部分には小穴やスリットが設けられています。水路の清掃や維持管理に欠かせない道具と言えるでしょう。

漁具としての鋤簾

漁具としては、シジミ、アサリ、ハマグリなどの貝類や、エビ、シャコなどの甲殻類を採取する際に使用されます。大型の熊手に似た形状をしており、刃先の後ろには砂や小石だけを排出するためのバケット（箕や金網）が取り付けられているのが一般的です。船で使用する大型のものは2m前後の大きさがありますが、浅瀬や波打ち際で使用する小型のものは1m以下です。

法律による大きさや形状の明確な定義は存在せず、「貝類を砂泥から選り分けて集める機能を持つ」かどうかが判断基準となります。ホームセンターなどで販売されていることもありますが、容易に大量の漁獲が可能なため、多くの都道府県で条例や漁業調整規則により使用が禁止されています（例：愛知県、三重県）。

潮干狩りなどのレジャーを楽しむ際には、遊漁者が違法な漁具を使用しないよう注意が必要です。また、漁業権が設定されている場所での採捕行為は漁業権の侵害となり、告訴がなければ公訴を提起できない親告罪に該当する可能性があります。違反した場合には、20万円以下の罰金刑が科せられることがあります。

その他の用途

鋤簾は、建築現場では土砂やコンクリートの敷き均しに使用されます。また、発掘調査においても、土砂の除去や遺物の選別などに活用されています。

このように、鋤簾は様々な分野で利用される多用途な道具です。

関連情報

さらに鋤簾について知りたい方は、以下の情報を参照してください。

農業
側溝
農業用水
溝渠
清掃用具
浚渫
漁業
潮干狩り
* 密漁

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