録歌選

ゆずのミュージックビデオ集シリーズ「録歌選」：全作品解説

国民的音楽グループゆずは、数多くのヒット曲を生み出し、その魅力的な楽曲とパフォーマンスは幅広い世代から支持されています。そんなゆずのPV作品をまとめたシリーズが「録歌選」です。本稿では、各作品に収録されている楽曲や発売時期、そしてシリーズ全体の特徴を詳しく解説していきます。

初期の「録歌選」は、収録楽曲の発表時期を反映したタイトルが付けられていました。例えば、『録歌選 金』は1997～1998年発表の楽曲、『録歌選 銀』は1999年発表の楽曲を収録しており、『金』と『銀』は同時発売という戦略的な展開を見せています。これらの作品はVHSで発売され、後に『録歌選 金銀』としてDVDでまとめてリリースされました。

『録歌選 金』には「夏色」や「雨と泪」といった初期ゆずの名曲が収録され、彼らの音楽性が凝縮された作品となっています。一方『録歌選 銀』は、「サヨナラバス」や「友達の唄」といった、より洗練されたサウンドが特徴的な楽曲が中心です。これらの作品は、ゆずの音楽遍歴を辿る上で重要な位置づけを占めています。

『録歌選 紅』では、2000～2002年発表の楽曲が収録され、初期から中期にかけてのゆずの音楽的進化が分かります。続く『録歌選 菫』は2002～2003年発表の楽曲で構成され、VHSで発売された最後の作品となりました。『録歌選 1 〜ONE〜』からはDVDのみの発売となり、アルバム『1 〜ONE〜』収録楽曲のPVを収録しています。

その後、『録歌選 緑』、『録歌選 虹』と続き、シリーズは新たな段階に入ります。この頃から、アルバムタイトルをそのまま作品名に冠するようになり、楽曲の選定もアルバム単位で行われるようになります。例えば、『録歌選 2-NI-』、『録歌選 LAND』といった作品がこれに当たります。『録歌選 LAND』はシリーズで初めてBlu-rayでの発売も開始されました。

さらに、『録歌選 新世界』では2013～2014年発表の楽曲が収録され、『LIVE FILMS 新世界』との同時発売、そして両作の同時購入特典も用意されるなど、ファンへの配慮も垣間見えます。『録歌選 TOWA』、『録歌選 BIG YELL』と続き、後者ではアルバム『BIG YELL』収録楽曲のPVを収録し、ゆずのファンクラブ会員限定販売という特別な展開も実施されています。『録歌選 BIG YELL』は、シリーズにおける最新作の一つであり、ゆずの長い歴史と進化を象徴する作品群を締めくくっています。

このように、「録歌選」シリーズはゆずの音楽遍歴を辿る上で貴重な記録であり、彼らの音楽的成長を肌で感じることができる作品群です。初期作品の色分けされたタイトルから、アルバムタイトルを冠するスタイルへと変化していく過程も、ゆずの音楽活動の変化を反映しており興味深い点と言えるでしょう。各作品には、ゆずの代表曲はもちろん、ファンにはたまらない隠れた名曲も多数収録されているため、ゆずファンならずとも、その魅力に触れてみる価値は大いにあるでしょう。

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