鍋島直虎

鍋島直虎：明治・大正期の政治家、小城藩最後の藩主

鍋島直虎は、1856年（安政3年）に肥前佐賀藩主・鍋島直正の七男として誕生しました。母は側室の娘でした。幼名は欽八郎です。

家督相続と戊辰戦争

先代の小城藩主・鍋島直亮に男子がなかったため、1861年（文久元年）、直虎は直亮の婿養子となりました。そして、1864年（元治元年）、直亮の死去に伴い、若くして小城藩の第11代藩主を継承することになります。

1868年（慶応4年）の戊辰戦争では、新政府軍に加わり、秋田の戦いで武功を挙げました。その功績により、1869年（明治2年）には5000両の褒賞を受けました。同年6月には版籍奉還により知藩事となり、1871年（明治4年）の廃藩置県で藩主の地位を離れることとなりました。

イギリス留学と華族

1873年（明治6年）、明治政府からイギリス留学を許可された直虎は、兄の鍋島直大、弟の鍋島直柔と共にロンドンへ留学しました。当初の予定は2年間でしたが、1年間延長して研鑽を積みました。帰国後は外務省御用掛を務めました。

1884年（明治17年）、華族令の施行により子爵に叙爵されました。

貴族院議員としての活動

1890年（明治23年）には貴族院議員に当選し、以後5期連続で当選を果たしました。1925年（大正14年）7月まで貴族院議員として活躍し、日本の政治に貢献しました。

晩年と死

1925年（大正14年）10月30日、70歳で亡くなりました。法号は威徳院殿全機直雄大居士です。佐賀県小城市鷺原の祥光山星巌寺に埋葬されました。

家族

直虎の家族構成は以下のとおりです。

父：鍋島直正（肥前佐賀藩第10代藩主）
母：浅岡（村松矩欽の娘）
養父：鍋島直亮（小城藩第10代藩主）
正室：鍋島春子（鍋島直亮の娘）
長男：鍋島直庸（小城鍋島家第12代当主）
継室：鍋島貴子（南部利剛の娘）
長女：好子
次女：慶子（本多忠昭室）
次男：鍋島直顕（子に鍋島直昶）
三女：鏉子（毛利元良室）

親族には、長男・直庸の妻の父親である松平茂昭などがいます。直庸と妻の娘である京子は、煙草商で財を成した千葉家の者に嫁いでいます。

栄典

直虎は、勲三等瑞宝章や御紋付銀杯などの栄典を受けています。

鍋島直虎は、藩主としての役割、戊辰戦争での武功、イギリス留学での経験、そして貴族院議員としての政治活動を通して、激動の時代を生き抜き、日本の近代化に貢献した人物と言えるでしょう。彼の生涯は、日本の歴史における重要な一章を担っています。

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