鍵開けキリエと封緘師

鍵開けキリエと封緘師

『鍵開けキリエと封緘師』（かぎあけキリエとシギルムス）は、池田朝佳によるライトノベル作品。富士見ファンタジア文庫より全3巻が刊行されました。イラストはさんば挿が担当しています。

ストーリー

物語は、大陸の内陸にある小さな町で暮らす少年、キリエ・エリンカを中心に展開されます。彼は、生まれつき鍵開けの才能を持っていました。町中のどんな錠前でも開けてしまうキリエですが、彼が唯一開けられないものが、7歳の時に見つけた金色の箱「封印の小箱（アルカ）」でした。

ある夏祭り、妹のミドリカに誘われたキリエは、人々から「監獄砦」と呼ばれ恐れられている建物へ足を踏み入れます。その砦の錠をいとも簡単に開け、奥へと進むと、そこには全身を鎖で拘束された、自らを「大統領」と名乗る謎の美女がいました。キリエは、大統領が囚われている檻が、あの「封印の小箱」と同じ構造であることに気づきます。

大統領との出会いをきっかけに、キリエは箱を開ける特別な力を手に入れます。そしてついに金色の箱を開けると、中から一人の少女が現れます。少女は自らを「魔法使い」だと名乗り、キリエの箱を開ける能力によって、失われたはずの魔法「封緘術」が蘇ったことを告げます。こうして、キリエは封緘術を巡る冒険に巻き込まれていくことになります。

登場人物

キリエ・エリンカ
天才的な鍵開けの技術を持つ主人公の少年。人付き合いが苦手。
大統領（プレジデント）
監獄砦に囚われている謎多き美女。長い灰色の髪と紫の瞳を持ち、全身を鎖で巻かれています。本名は不明。
リュリュ
監獄砦で大統領に仕える看守の少女。人間離れした能力を持ち、キリエを敵視しています。
ミドリカ・エリンカ
キリエの妹。兄とは正反対に活発で心優しい性格です。
ウィヌム
キリエの「封印の小箱」から現れた少女。黒髪に黒い服を着た人形のような姿をしています。封緘術を使うことができます。
リット
キリエの友人。キリエを遊びに誘う、数少ない友人です。
ジニィ
封緘師の素質を持つ少女。封緘術を学ぶためにキリエの町にやって来ます。
サイモン
キリエの町に赴任してきた若い教師。

用語解説

封印の小箱（アルカ）
通称「箱」。命のあるものを中に入れ、「命の水」に変える力を持つ。
命の水（アクア）
「箱」の中で作られる特殊な水。魔法の材料となる。
封緘術（シギルム）
「命の水」の力を使う魔法。「箱」を作る技術が基礎となる。
封緘師（シギルムス）
封緘術を使うことができる者。魔法使いとも呼ばれる。作中では、魔法使いはすでに存在しないとされていましたが、キリエが大統領と出会ったことで、その存在が再び明らかになります。

既刊一覧

長編

『鍵開けキリエと封緘師 小箱は開くのを待っている』（2009年12月）
『鍵開けキリエと封緘師 モラトリアム・ミッドサマー』（2010年5月）
『鍵開けキリエと封緘師 そして世界の開く音』（2011年1月）

短編

ドラゴンマガジンに掲載。

『鍵開けキリエと封緘師 監獄の一日』 （2010年1月号掲載）
『鍵開けキリエと封緘師 大統領の秘め事』（2010年5月号掲載）
『鍵開けキリエと封緘師 ミドリカの食卓』（2010年7月号掲載）

関連書籍

* 『まるごと一冊冒険企画局』 新紀元社（2010年9月）

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