鍾毓 (満洲国)

鍾毓について

鍾毓（しょう いく、1879年10月28日生まれ）は、中華民国および満洲国における国家の要職を務めた官僚や外交官として知られています。彼は中国の政府と外交において重要な役割を果たし、特に黒河省の創設に寄与したことで評価されています。

初期の経歴

鍾毓は清末において日本に留学し、1908年に法政大学の政治部を卒業しました。この学びの期間が後の彼のキャリアに大きな影響を与え、帰国後は中華民国の黒龍江省における行政職に就任しました。呼蘭県知事や三姓正紅旗の佐領を歴任した後、1919年には外交部の黒龍江交渉員に任命されました。

民国時代の活動

彼は外交部においてさまざまな重要な役職を歴任し、特に特派黒龍江交渉員としての任務においては重要な交渉を行いました。さらに、吉林全省警務処の長官にも任命され、地域の治安維持に貢献しました。1928年には、張作相の政権下で吉林省政府委員としても活動しています。

鍾毓の活動は満洲国の成立にも影響を与え、彼はその準備事務に従事し、鶴崗煤鉱公司的な職にも就いています。1934年には黒河省が正式に成立した際に初代省長に任命され、この時代の発展に寄与しました。

特筆すべき事績

鍾毓は民国時代を通じて、様々な職に携わり、その中で特に外交交渉と地域の治安管理での功績が顕著です。彼は吉林省政府の一員として、地域の政治や経済においても影響を持っていました。1937年に黒河省長の地位を退いた後も、満洲電業株式会社や満洲鉱業開発株式会社など、民間企業での役職に就き、1940年にはその任務を続けていました。

終焉とその後

1941年以降の鍾毓の動向については不明になっており、彼の歴史上の足跡は全く明らかではありません。昭和15年に発行された『大衆人事録』には彼に関する記載があるものの、1943年の次版からはその記述が姿を消しています。これは鍾毓の運命をさらに謎めいたものにしています。

参考文献

• - 尾崎秀実監修「アジア人名辞典」(創元社, 1940年)
• - 満蒙資料協会編『満洲紳士録 第3版』(1940年)
• - 帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第十三版 外地・満支・海外篇』(1940年)
• - 帝国秘密探偵社編『大衆人事録 第十四版 外地・満支・海外篇』(1943年)
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』(中華書局, 1995年)
• - 法政大学大学史資料委員会編『法政大学史資料集 第11集』(1988年)

鍾毓の生涯は当時の歴史的背景と密接に絡んでおり、彼の業績は今日でも多くの人々に記憶されています。

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