黒河省

黒河省について

黒河省（こくが-しょう）はかつて満洲国に存在していた行政省であり、現在の中国・黒竜江省北西部にあたる地域に位置していました。この省は1934年の設立以降、満洲国の重要な行政区画として機能していましたが、1945年の満洲国崩壊に伴い自然消滅しました。

歴史的背景

黒河省は1934年12月1日に満洲国政府によって設立されました。この時期、満洲国は黒竜江省の北部に新たな省を設けることを決定し、黒河道区に省公署を置いたのです。新省の管轄下には、璦琿県、呼瑪県、漠河県、鴎浦県、奇克県、遜河県、烏雲県、仏山県という8つの県が含まれていました。

その後、1937年には新たに孫呉県が設立され、1941年に仏山県が三江省へ移管されるなど、黒河省の行政区画は時折改編されることがありました。1943年には、新たに嫩江県が北安省から移管され、さらには奇克県と遜河県が合併して遜克県が設立されるなど、行政構造は変化を続けました。1945年8月1日には嫩江県が竜江省に移管され、これによって黒河省の行政機能が大きく変わることとなりました。

廃止とその後

1945年8月に満洲国が崩壊すると同時に、黒河省はその役割を終えました。これにより、黒河省は自然消滅し、その地域は新設された嫩江省に移管されました。この歴史的な出来事は、黒河市及び周辺地域の行政の枠組みに大きな影響を与えることとなりました。

行政区画

満洲国崩壊直前の黒河省は以下のような行政区画を有していました。具体的には、漠河県、鴎浦県、呼瑪県、璦琿県、烏雲県、遜克県の各県が黒河省に属しており、これらの県はそれぞれ独自の地域特性と歴史を持っていました。

歴代省長

黒河省の歴代の省長については以下の通りです。

• - 鍾毓（1934年12月1日 - 1937年7月1日）
• - 許桂恒（1937年7月1日 - 1938年8月16日）
• - 王子衡（1938年8月16日 - 1939年1月1日）
• - 浜田陽児（1939年1月1日 - 1940年10月1日）
• - 三浦恵一（1940年10月1日 - 1942年1月15日）
• - 長野義雄（1942年2月13日 - 1945年3月12日）
• - 村井矢之助（1945年3月12日 - 終戦）

これらの省長は、黒河省の発展と行政の運営において重要な役割を果たしました。

参考文献

この情報の詳細は、秦郁彦編著の『世界諸国の制度・組織・人事: 1840-2000』に記載されています。この書籍は、満洲国及びその政治的な構造についての理解を深めるための貴重な資料となっています。

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